八ヶ岳 石尊稜

日  程:2023年2月23日~25日

メンバー:村上た、岡嶋、田中

八ヶ岳石尊稜は初級ルートと言われるが、総合的な力量が求められる好ルートだと思う。岡嶋さんが昨年阿弥陀北稜を登ったと聞き次のステップアップとして同ルートを選んだ。また村上たは3回目ではあるが、2回目の登攀の際にアプローチを間違い、違う斜面を登り敗退を余儀なくされたためもう一度行きたいと思っていたルートであった。田中さんにとってみれば久々の冬山、また冬のアルパインルートということで三人三様の思いでの入山となった。

4日 5時出発。真っ暗の中、出発。村上のチョンボにより地蔵尾根を登るというミスもあったが、リカバリーし中山乗越経由で慎重にとりつきへ。過去に多くの方がアプローチを間違えているため、何度も確認する。1Pへのアプローチで雪稜のトラバースがあり、村上はこの斜面なら問題なかろうと考え灌木まで行ったところ、ヘルプミー!との声が上がり、またロープを持って戻るという場面もあった。

下部岩壁。

1P目。雪が解けてアイスと岩のミックスとなっており、また適度な斜度もあるため慎重にリード。ガバがなくピッケルで氷を削って持ち手を作りながら登る。

2P目。上部の草付きが流れてしまったため、乗越の核心が生まれたようだ。村上があれ?こんなとこ過去に登った記憶がない?ルート間違えたのか?と思いながら登る。(過去にはなかった乗越)立ち上がって上部はアックスが決まらず、右手で穴を抑えながら左に足を置いて乗り込む。ボルダ的なムーブ。帰ってきてから調べると新たにできた核心のようだ。

3P~6P

 

3Pへ以降は快適な雪稜ではあるが、万が一のことを考え、スタカットで登る。雪稜の途中で、上部岩壁と稜線が見えたが、まだ、あんな登らなあかんのか、と心がへし折れそうになった。

上部岩壁。

7P

細長い残置シュリンゲが垂れており、ここからが上部岩壁だ。天気も崩れてきており、風が冷たい。細いミゾ上の氷結した岩場からスタートした。途中まったくランナーがとれない。岩角の残置シュリンゲまでが緊張した。更にリードを伸ばし、ピクナルで確保支点をとった。

8P最終ピッチ。岩と雪稜のミックスを登ると大きな岩場に細長い残置シュリンゲが垂れており、それが最終ピッチであった。

村上たは全8ピッチのオールリードになったが、やはり本チャンの雪稜は結構疲れた。最終ピッチから稜線までもうひと踏ん張りして登り地蔵尾根を下降。行者小屋には16時に戻ってきた。3人で、明日の赤岳主稜について相談したが、総合的に判断してこの3人では2日連続の冬山アルパインに行く実力は残念ながらなかろうとのことで、翌日25日に行者小屋から下山しました。

地蔵の頭のお地蔵さん。寒風の中、登山者を見守る。ありがたや~。

 

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