九州クライミング遠征

2019年11月1日~11月4日

メンバー:望月、西村、小林、畠山、楠瀬  (記:楠瀬)

1.概要

10/31(木)

JR尼崎21:00集合 明石海峡大橋経由で四国へ。八幡浜港を目指す。

11/1(金)快晴

2:50 八幡浜港発フェリーに乗車(5:50臼杵港着、7:00まで船内で仮眠)~9:10本匠着。宮前・神社エリアにて フリークライミング

(登ったルート)銀杏の小路5.10b、うい5.10a、岩魚道5.12a、ムー大陸5.10c、少年少女5.9

臼杵港にて
銀杏の小径(5.10b)

16時終了。買い出しの後に比叡山エリアへ移動。20:30 比叡 菅原公民館着。私達1組だけの貸切状態。キッチン、テレビ、ヒーターなど完備されており、至れり尽くせりの施設でした。皆でキムチ鍋と鯛の塩焼きなど作り、軽く宴会をして就寝。

菅原公民館でくつろぐ

11/2(土)

2パーティに分かれ比叡のマルチピッチを登攀。Ⅰ峰ニードル左岩稜、サマーホリディ83(別途報告あり)夜は公民館泊。この日は各地からのクライマーで人数が増え賑やかだった。

11/3(日)

ペアを変更し、2パーティに分かれ比叡のマルチピッチを登攀。 Ⅲ峰白亜スラブ、Ⅰ峰第1スラブ(別途報告あり)。終了後、17:00 比叡から移動開始。21:00 本匠 お茶の間サロン着。ここもまたとてもキレイな施設で、2階部屋を貸切り状態。マルチピッチの報告をしながら宴会が盛り上がる盛り上がる。快適すぎて飲みすぎてしまう。

11/4(月)

8時 起床(予定より2時間寝過ごす)、昼のフェリーで帰阪予定だったので、時間的にクライミングは難しいと判断。仕方なく臼杵石仏(国宝)の観光に行ったが、実際に行くとかなり観る価値があり予想外?に大満足。11:35 臼杵港発~13:55 八幡浜港着 八幡浜チャンポンを食して帰阪した。

2.マルチピッチ登攀記録

11/2 ニードル左岩稜〜サマーホリデー83 

メンバー 望月、楠瀬 (記、 望月)

九州クライミング2日目。ちと寒いが朝から快晴、岩もパリパリで絶好のクライミング日和。全員で比叡山1峰ニードル左岩稜へ行き、ダブルフレーク組(西村、小林ち、畠山)と左岩稜ノーマル組(望月、楠瀬)に分かれて出発。僕らはニードルピークまで登りコルへ下降後、チムニー内を懸垂下降して1峰北面へ回り込み、サマーホリデー’83(3ピッチ 5.9)へ継続した。

ニードル左岩稜ノーマル

1p目25m  Ⅳ(楠瀬)

2p目40m  5.8 (望月)

3p目45m  5.7 (楠瀬)

最初は日当たりが悪く風もあって結構寒い。2ピッチ目は序盤に出てくるフィンガークラックからの右トラバースがワンポイント悪いが、そこさえ抜けたら快適。3ピッチ目も快適なクラックからのスラブ。ニードルピークまで登りようやく太陽を見る。ここからは通常懸垂下降だが、時短のためお互いロワーダウンしコルへ下降する。さらに狭いチムニーを懸垂下降し、サマーホリデー83取り付きへ。こちらはここまでは快調に来れたが、西村、小林、畠山パーティは1ピッチ目のダブルフレークでかなり時間が掛かりだいぶ差が開いてしまった。

ニードル左岩稜ノーマル 1p目をリードする楠瀬
3P目のクラック

ここで一休みしてからサマーホリデー83に取り付く。

 1ピッチ目 45m 5.8 割と悪いスラブ(楠瀬)

 2ピッチ目   35m 5.9 快適なクラック〜ハング越え〜フェイス(望月)

   3ピッチ目   30m 5.7フェイス〜階段状(望月)

このルートは今回初めて登るが、1ピッチ目はスラブ、2ピッチ目はクラックからのハング越えと色々な要素が含まれてて面白い。かつ最近ボルトも新しく整備されており、とても安心感がある。もっと人が来て混みあっても不思議ではないと思うが幸運なことに我々以外は1組もおらず快適に登れた。途中でリンクカムがクラック内で外れなくなり、かなり焦ったが、15 分ほどナッツキーで格闘しどうにか回収できホッとする。最終ピッチは出だしが多少ランナウトするが、すぐに傾斜が緩み最後は歩きでピークへ到着。14  時半頃。

サマーホリディ’83の全容
サマーホリディ’83 2p目の取り付き

先に下山(稜線歩きと登山道合わせて45分くらい)し、下の展望台からもう1組のクライミングを眺めるが、まだだいぶ掛かりそうだったので先に近くの商店で食料の買い出しをしてから迎えに戻った。

ニードル左岩稜の取り付きの奥には美しいワイドクラック(上野クラック 5.10b )もあり、今回早く終わったら登ろうかと思い、取り付きの近くにワイド用ギアを残置していたが結局疲れたのと時間も押すので今回は諦め、次回の課題とすることにした。

上野クラック(5.10b ワイド)

全員下山後、ラグビーW杯決勝を見るために急いで風呂へ行くが、戻ったら宮崎ではテレビ放送してないとわかり脱力。この日は九州各地のクライマーが20 人以上集まって、公民館は大賑わいだった。

11/2 比叡1峰ニードル左岸稜  西村、畠山、小林 (記:小林ち)

九州2日目、朝6時起き7時に菅原公民館を出て、駐車場へ。8時クライミングスタート。

ノーマルからいくか、Wフレークからいくか迷っていたが、思い切ってWフレークからいくことにする。奇数ピッチ小林、偶数ピッチ西村のつもりで、1ピッチ目に取り付いた小林。出だしはフィストかそれよりちょい広めのクラック。少しあがるとハンド。カムを一つ決め、二つ決め?だめだ、テンション。(笑)何回かテンションを繰り返して、一つ目のフレーク下まで行くが、私にはフレークは越えられないと判断。「西村さん!選手交代!」すごすごと降りることに、、。小林奮闘時間15分~20分くらい?

気を取り直して、西村さんに1ピッチ目を登ってもらう。二つ目のフレークは5番か6番カムが欲しかったが、1番をフレークの奥に決め突破。畠山さんがフォローで登り始めるが、クラックに慣れていないうえに岩が若干被っていたため、一つ目のフレークにたどり着くまでに時間がかかった。ショルダーやA0やセルフビレーを駆使して、なんとかあがり、最後に小林が続く。

1P目に時間がかかり、2P目のスタートが11時になってしまった。小林リード。フィンガークラックの走ったスラブを少しあがり、1m程横にトラバースしてから上にあがっていく。トラバースが怖く、残置ナッツをつかんでしまった。次はフリーで抜けたい。トラバース以外は怖い箇所もなく、2P目終了。

ニードル左岩稜 2p目

3P目、西村さん。ニードルの頭に突き上げる、一番気持ちのいいピッチ。高度感もありながら、クラックにはハンドも決まるため、割と快適。ニードルの頭に上がるとき、まっすぐスラブをあがるか、少しまわって支点横にでるか2通りある。私は、フォローだったけどびびってまわっていった。最後のスラブを楽しいと言っていた楠瀬さんすごい。笑 12時半過ぎニードル到着。

そこから1回懸垂下降(13時)をして、4P目にあがるまえに、4mくらいの短いピッチあり。畠山さんがリードチャレンジするも、意外と悪く、小林と選手交代。4P目はそのまま小林リード。前の男性2人組のパーティが、声をだしながら登ったのでびびっていたが、登ってみてなるほど、高度感がまぁまぁある。左から右に一歩うつる箇所があり、そこでやはり私も気合のうっ、と声がでた。あとは快適で4P目終了。

5P目最後は西村さん。スラブをあがって16:15ピークに到着。時間がかかってしまったが、無事に3人とも登れてよかった。下の展望台には、先に降りたもっちーさんと楠瀬さんがいて、先に公民館に戻っててもらう。下山は、稜線を15分くらいあるき、登山道のロープが出てきたら、左に下る。20~30分くらい下って、展望台に着く。駐車場でピックアップしてもらい、お風呂にむかった。

ニードル左岩稜 終了点より

2年前に比叡に来た時のも、ニードル左岩稜が気になっていたが、当時はクラックの岩を登っていなかったため次回にと残していた。今回、念願のニードル左岩稜を登ることができて、よかった。つるべで行けたことも自信になったし、今回の経験を今後のクライミングに活かしていきたい。

11/3 比叡 3峰 白亜スラブ メンバー望月、西村 (記:西村)

比叡2日目3峰にある白亜スラブへ。西村は初めて、もっちーさんは以前来た事があるということで、もっちーさんのリクエストが4ピッチ目希望だったので奇数ピッチ西村、偶然ピッチ望月の順番で登りました。アプローチは3峰トンネルの下流側入り口左側から登り始め5分程で到着。とても近いです。

Ⅲ峰白亜スラブ 取り付きからの全容

1ピッチ目(5.7 35m  西村) 8:30登攀開始。簡単な階段状のフェース35メートル程。取り付きから正面のフェースを右上して行き取り付きから見える終了点を超えてルンゼをトラバースした所に終了点。簡単だがピンが3本しかないので注意が必要。

2ピッチ目(5.10c 25m  望月) カンテ側壁のクラック。クラック登りというよりカンテを使ったフェイス登り。グレード通りの気持ち良いクライミング。もっちーさんRP。

2p目の終了点より

3ピッチ目(5.11a 45m  西村) ピナクルからスラブに走ったフィンガークラック。最初15mほどスラブを登りそこからフィンガークラック20m、最後簡単なクラック5mという感じ。はじめのスラブはルーファイをしっかりしながら順調に進むも、フィンガークラックに入った直後の3mほどのクラックが浅くて難しく、頑張ってピンにヌンチャクをかけるもロープをかける前にフォール。少しランナウトしていた為7〜8m程落ちる。その部分を3回程ムーブを探るもダメで時間の都合A0で抜ける。その後のフィンガー部分も下で疲れてしまいテンションまじりの部分的にA0で抜ける。悔しい。ただ、フィンガー下部3m部分に比べれば上部の方が比較的簡単。落ち着いてしっかりルーファイして登れば登れそう。最後5m程は広くなって快適に登る。フォローもA0まじりで抜けてくる。

核心の3p目をリードする西村

4ピッチ目(5.10d 35m 望月) 被り気味のコーナクラック。はじめの出だし3m程がワイドクラック。もっちーさんは足突っ込んでワイドムーブで登る、フォローの自分はレイバックで抜ける。被った部分は難なく抜けるが、その後のクラックは部分的に悪くまぁまぁ疲れた。もっちーさん渾身のRP。フォローもなんとかノーテン。トラッドグレード更新おめでとうございます。

4p目をリードする望月
4p目終了点より

5ピッチ目(5.8 25m  西村) 13:30登攀終了 優しいカンテ状のスラブ。気持ち良く登って終了。

〈白亜スラブルート総括〉

このルートのハイライトの3P目のフィンガークラックは初見ではなかなか難しかったです。下部3m程をパーワー使わず攻略出来れば後はしっかりホールドを見てルーファイして行けば何とかなるかな?と思います。ピンは綺麗な物があるのですが間隔がすごくあいており小さいサイズ(0.5以下)とヌンチャクを多めに持っていった方が安心と思います。

4P目もなかなか侮れないピッチでした。被った部分はそんなに難しくもなかったですが出だし数mとハングを超えてからの部分が部分的に悪いので落ち着いてしっかりホールドを見て登る必要があるかと思います。

今回3ピッチ目以外はリードもフォローもRP &ノーテンで登れたので次回行く機会があれば3P目もRPで抜けられればと思います。

必要ギア ヌンチャク15〜6本、カム0.2〜3 1.5セット(4ピッチ目をオールナチュラルプロで登る場合は0.5以下が多数必要)

11/3 比叡山第一スラブ ノーマル 楠瀬、小林、畠山(記:畠山)

九州3日目、癒しのルートを求めて定番の第一スラブへ。第一スラブは比叡山マルチルートで一番始めに登られたクラシックルートだ。多くのパーティーが取り付くことが予想され、早めに出発し一番最初に取り付くも、ぞくぞくと後続パーティーがやってきた。

1P目(50m 5.3 R:小林)1P目は優しいルートで小林さんが難なくリードしていく。プロテクションは少ない。後続パーティーが3パーティーほどロープをクロスしながら登り始め、フォロー2人は唖然としたが、注意喚起をすべきだったと思う。

2P目(20m R:楠瀬)楠瀬さんがリード。スラブの得意な楠瀬さんは余裕のリード。こちらもプロテクション少なく、10m地点までプロテクションは何もない。

3P目(50m 5.4 R:小林)一部カンテルートでいやらしいとこがあったが、ここも小林さんは余裕のリード。後続の畠山と楠瀬も問題なく登っていく。

4P目(35m 5.4R:楠瀬)先行パーティーが登り終わるのを待ち、楠瀬さんが登り始める。開始3mのトラバースが多少難しかった。トラバース後もスラブの得意な楠瀬さんは、するするとリード。トラバース後のスラブが風が強く。多少の恐怖感あり。

5P目(50m 5.4 R:小林)トポだと2ピッチだが、1ピッチでいけるだろうと小林さんがリード。ロープギリギリで無事終了点に。小林さんさすがです。

6P目(40m 5.6)6P目は面白そうなスーパーのルートに。水平なルートを楠瀬さんは楽しそうに登っていく。フォローの畠山はスラブに上がる地点で多少難儀する。スラブの女神はさすがだと思った。少しヒヤッととする楽しいルートだった。

7P目(35目 5.4 R:畠山)最終ピッチだけリードをさせてもらった。ランナウト気味でリードする。無事全員登り、休止し、下山する。

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