長野県 千曲川水害ボランティア

日  程:2019年11月2日~4日
メンバー:村上た、吉田か、谷岡、岩田ま、堀内、前田、山田ゆ、田中す、村上さ、OBの松村  

非常に大型で猛烈な勢いの台風19号が日本列島を襲い各地で甚大な被害を引き起こした。
幸いここ大阪は進路がそれたため大きな被害はなかった。ニュースで報じられる被害の様子を見て心痛める 。すぐにお手伝いに行きたいところだが、土日だけではなかなか十分な時間は取れないだろうという事で11 月の連休に行くことになった。行先は山やとして、一番身近な長野県に決定。
有志を募集したところ会員が9名、他に今は会を辞めた1名も現地合流することに。秋の山登りに一番良い 時季にこれだけ集まるのはうれしいことだ。ボランティア初参加のメンバーもいるので、持ち物などを示唆 。しかし、当日行ってみないと何が必要かはわからないところもあり悩ましい。必要とされるのは主に泥か きだとは思われたが、泥かきでも、床下となると持ち物は変わってくる。あと、ボランティアセンター(以降 ボラセンと略させてもらう)にどれくらいの道具があるのかも不明。ネットで情報を集め、先に入っていると いう村上た の東京時代の山仲間の情報をもとに、大体の道具はそろっているようとの事で、各自自分の服 装(マスク、長靴、踏み抜き防止鉄板、帽子、タオル、ゴム手袋、軍手、ゴーグルか眼鏡、カッパ上下、汚 れてもいい服など)を準備。各自ボランティア保険にも入っておく。
一般ボランティアで応募すると説明等の時間がもったいないので、団体応募を申し込む。情報収集の際、 お寺さんが寝る場所を提供してくれるとの朗報を得る。さっそく村上たが電話。非常に良い方の感じ。離れ を貸して下さる、暖房付き。何と有り難い。
11月1日夜、車2台に分乗して出発。今回、ボランティアの高速道路無料の手続きが非常に簡単になったの で利用させてもらう。前回までは手続きが煩雑で社会人には利用を諦めてしまうようなものだったので改善 はうれしい。朝方仮眠。
集合場所の学校のグランドに行くと既に何団体かが開門を待っている。ここからマイクロバスに乗り込ん でリンゴの郷と言う特別養護老人ホームまで行く。ここがボラセンになっている。ニュースで、入所者がヘ リで救出されていた場所だ。長野のボラセンもかなり進んでいて、一般のボランティアを駅まで送迎する大 型バスまであった。道具もほぼそろっている。
水害被害はかなりひどい。どこもそこも泥だらけ。リンゴ畑には厚く泥が積もっている。気になった赤い 美味しそうなりんご しかし、水害にあったリンゴは汚染の可能性があるため出荷できないそうだ。悲しい 。思わずもいで帰りたい衝動に駆られるが自重する。
我々は何名かずつに分かれ泥かき。私は、1件のお家に行き、そこの納屋に埋もれている農機具を出したい からまずはそこまでの道を作ってほしいと言われる。男子1名女子2名で取り掛かる。泥は重く、匂いもある 。ミミズがいっぱい出てくる。土嚢袋に泥を詰めては運ぶという地道な作業。汗だく。ただ、今までのボラ ンティアに比べ、涼しいので助かる。
母屋は立派なお家だが、修復不可能で取り壊すという。家具はすでに運び出されいて、残されたピアノと 立派な仏壇が寂しくたたずんでいた。
納屋の方は何とかそこまで人が通れるようにし、扉の前の泥ものぞく。扉を開けると耕運機などが埋まっ ている。扉が閉まっていてもこんなに泥が貯まるものなんだと驚く。泥水が私の身長くらい来たので、水が ひいた後そこに交じっていた泥が沈殿したようだ。納屋の泥を出すのだが、干してあった玉ねぎ、にんにく が泥に落ちて腐っていて、なかなかの悪臭。それでも泥をかき何とか機械を出すことに成功。機械はもう使 えないが激甚災害に指定されたので、機械の代金の何分の一かを還付してもらえるそうだ。我々の労働も無 駄ではなかったようだ。
他のメンバーは庭の泥をかく組、家までの道を作る組とみんなよく働いたようだ。皆泥だらけ。街中は被 害がなくお店も普通に開いている。泊めてもらうお寺の近くの秘湯に入って着替え生き返った気分。ラーメ ン屋さんで夕食を取り、夜のお酒とおつまみ、翌日の朝食、昼食を買い込む。貸していただいたお寺の離れ は超快適。労働の疲れも取れる。
翌日、昨日と同じ場所に集合してボラセンに。そこで指示をもらい作業に。私は2日目は庭の細かい場所の 泥かき。庭木の間の泥の中から電動ドライバーセットが出てきたりする。一度水に浸かった電化製品は使え ないので廃棄。この日はボランティアの休憩所が近くにあり、そこで、温かい具沢山のお味噌汁や果物を頂 く。とってもおいしい。炊き出しボランティアさんが作ってくださったそうで嬉しい。

一日の労働(と言っても時間は短い)を終え、秘湯に入り、スーパーで各自夕食(お弁当や総菜)、お酒、朝 食を買い出し。被災されている方々には申し訳ないがささやかな宴。
快適な宿を提供してくださったお寺さんからリンゴまでいただく。宿代として払っても受け取ってくださ らないので、少しだがお布施という形で気持ちだけ受け取って頂く。またお世話になりますとお別れしたが 、いまだに誰もいけていない。申し訳ない。
3日目の作業はがれき集積所から軽トラックにがれきを積み込む作業。何もかもが瓦礫となってしまったの かと思うと切ない。大まかに分別しながら積み込む。初めてボランティアに参加したらしき中高生もいる。
怪我しないかと心配しながら頑張ってもらう。大阪に帰るのに渋滞も考慮して昼過ぎに作業を終え帰阪。
まだまだ泥は大量にあり、リンゴ畑は手付かず。これから寒い季節を迎えるというのに復興は遠く思える 。人手はいくらあっても良いので、本当はもっと手伝わなくてはいけないのに行けていない。行ける人はし たことないからわからないと言わずに是非行ってほしい。

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