北海道遠征 その1 (天人峡・アマツ岩)

2023年 北海道遠征
9/15 天人峡・アマツ岩エリア (望月・元会員K岡氏)
(報告:望月)

 

北海道中央部の大雪山の周辺には、あまり知られていないが溶結凝灰岩の柱状節理が発達した巨大な岩塔が数多くあり、地元クライマーを中心にトラッドルートの開拓が進められている。情報がないとなかなか登りに行くのも難しいのだが、ここ数年で現地の友人も増えたり、岩場の情報も徐々にわかってきたため、一度まとまった日数をかけて遠征する計画を立てた。

本州はまだ残暑が厳しい9月、登攀装備+キャンプ道具、さらにPC(一応、仕事道具)をマイカーに満載し、新潟発のフェリーで北海道へ上陸し、二週間ほど滞在した。

遠征前半のパートナーは、蛍雪の元会員であるK岡氏。奥さんとお子さん2人も一緒で、一家で来た北海道キャンプ旅行の間、岩と沢をお付き合いしていただいた。9/14に苫小牧に上陸後、旭川近郊の東川町まで移動し、キトウシの森キャンプ場へ滞在。ここは安くて清潔で街にも山にも近い、非常に良いところだ。周囲に日帰り温泉も多く、とても快適に過ごすことができた。
ここでは毎朝米を炊き、冷凍ジンギスカンの肉野菜炒めを食べるのが日課になっていた。
9/15 天人峡・アマツ岩エリア (望月・元会員K岡氏)
天人峡は昨年の夏以来3回目の訪問で、アマツ岩へは今回初めて行った。アプローチが近く(他のエリアと異なり渡渉なし!)ルートの質も高く、しかも川べりで涼しいと三拍子揃った素晴らしいエリアだ。
・Endless Rain 5.10b (OS)
まず、この岩場で最も登りやすいルートからトライすることにした。(実はもう一本、5.10aがあるが、後半はプロテクションが全く取れないワイドクラックのため今回は遠慮しておいた)
個人的に、Endless Rainというルート名がなかなか良い。まだ開拓されたばかりのため多少土っぽかったが、出だしが少しバランシーでカムセットにも注意が要るが、フィンガーからフィストまで色々なサイズが出てきて楽しめた。
Endless Rain 5.10b

 

・ハゴロモン 5.10c ⭐︎⭐︎⭐︎ (OS)
天人峡クラック全体の初登ルート。今回北海道へ来た目的の一つがこのルートを登りたかったから。
実際見てみると薄かぶりのワイドハンド〜フィストサイズのクラックが、うねうねとカーブしながら壁を断ち割っており、途中にはハング越えもあり、かなり威圧感がある。
登ってみると予想通り奮闘的なクライミングとなった。登ってのお楽しみで想定外のところで落とされそうにもなったが、何とか耐えてオンサイトでき、非常に嬉しい。

Endless Rainと同様、フィストからフィンガーまであるが、こちらは傾斜も強く全体的に油断ならない。もし全国トラッドルート・グレード別ベストテンがあるならば、5.10部門に推したいくらいだ。

(今思いついただけだが、実際ロクスノの特集でそういうの有ったら面白いんじゃないだろうか?スポート、トラッドの「グレード別」おすすめリスト。もうあったらごめんなさい、地域別ベストテンしか見たことないので)

 

なお、あくまで主観だが体感グレードはじゅうぶん5.10dあると思う。(今まで経験した中では小川山クレイジージャム5.10d、瑞牆N字ハング5.10dあたりにも引けを取らない)拳の小さい人にはもっと厳しく感じられるのではと思う。
Endless Rainは5.10bとしては登りやすいと感じたため、ハゴロモンとグレード一個差ということはないのでは?と思った。
「ハゴロモン」を登るK岡氏
キトウシの森キャンプ場にて
近くの日帰り温泉で湯上がりにのんびりする
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