前穂屏風岩 雲稜ルート

2023年6月16-19日

メンバー:松尾、会外1

前穂屛風岩 雲稜ルートに行ってきました。

6/16:横尾BC渡渉点下見
6/17:屏風雲稜アタック
6/18:屛風東壁ルンゼ下見
6/19:下山

6月に入っている記録はあまり見ることがないので、梅雨時期だし恐らく渡渉核心なのだろうと思っていました。横尾山荘の小屋番さんに聞いても、「今シーズン屏風岩に入ったという話は僕はまだ聞いていません。」との回答。誰も入ってないのか。。緊張が高まる。

通常皆さんが9月頃に頻繁に渡渉する地点は太ももまで浸かりそうだし流れもキツかった。かなりキビシイ。同行した相方さんはパンツ一丁渡渉もアリだと意気込むが、レディの私はいやいやそんな・・・、いや、やらなければいけないのならやるけど・・・・。とブツブツ言いつつ、必死で他の渡渉地点を探す。上流や下流を一時間程ウロウロ。テレビ的に言うと『諦めかけたその時!』ってやつです。ありました~!奇跡の膝下渡渉点!これを見つけられたことが滞在中一番嬉しかったポイントかもw

パンツ一丁渡渉を無事に逃れ、1ルンゼ押し出し辺りで翌日必要な登攀具をデポし横尾のテン場へ戻る。翌朝、渡渉点見つけられたことに気分良くして、10ピッチだし、ゆっくり目でいいか、って4:15スタート。これが後から悔やむことに。いや、少々早く出たところでどのみちヘッデン下山だったのだけど・・・^^;;

4:15 横尾スタート。1ルンゼを進む。

7:00 T4尾根取付き&登攀スタート(コンテ含む4ピッチ)ハーケンの穴は草や泥で埋っていて、掃除しながら繋げる。やはり私達が今シーズン1番乗りのようだ。写真はT4尾根1ピッチ目

 

9:00 雲稜取付き

10:00  登攀スタート(雪渓もあり、スタート地点を限定するのに少々時間かかる。6ピッチ)1ピッチ目リード

3ピッチ目アブミルート

 

18:00 登攀終了。懸垂下降開始(60m懸垂4回、30m懸垂6回)
21:00 T4尾根取付き
22:45 横尾テン場到着

登攀10ピッチで11時間、アプローチや懸垂下降を含めるとテン場から18時間半の労働時間でした^^;;この時間が掛かり過ぎなのかどうかはちょっと分かりませんが、屛風岩初見同士の二人がいきなり雲稜をアタックするのだからルートの見極めなど色々時間が掛かると思われます。初回で成功したことをまずは素直に喜びたいと思います。

雲稜ルート、屏風岩で一番人気だけあってとても良いルートでした。オールフリーで行くには少々レベル高いですが、アブミ登攀を加えればとても快適に登ることが出来ます。3ピッチ目からアブミゾーンに入りますが、ボルトラダーで男性なら難なくリード出来るかと思います。女性は身長の問題があり、リードするにはランナーが遠く秘密兵器を使わなければ突破出来ないかもしれません。155cmの私は残念ながらアブミ最上段に立ってもランナーに手が届かず、アブミゾーンは全て相方さんにリードお願いしました。雲稜1ピッチ目のリードはフリーで登れて面白くお勧めです^^。壁が濡れていたこともありますが、体感的には5ピッチ目が一番辛かったです。ロープは60mがお勧めです。終了点からの懸垂下降は雲稜ルートは60m2本使って4回。T4尾根は藪が多いので1本30mで降りた方が賢明。30mで6回懸垂しました。アプローチの1ルンゼはとても広くて明るい形相で、ヘッデン下山になっても迷うことなく安心して帰れました。

屛風雲稜、まさか自分が登ることになるとは思ってもいませんでしたが、いざ登ってみると『こんな面白いルート、もっと登られていいのに♬』と思いました。アルパインのクラシックルートは、ピンは古いし泥臭い。でも本当に面白い。古き良き時代のクライマー達が一生懸命開拓したルート、その頃の熱い思いを想像しながら登るのはとっても楽しかったデス^^

 

 

 

 

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