ラオスクライミング遠征(2)

ラオスクライミング遠征② (報告者:望月)

2/10
クライミング4日目。
快晴だが暑さと顔にまとわりつく虫に悩まされる。午前は2本出したが、どっかぶりの6bが思いの外難しく落ちてしまった。暑さだけでなく、少し疲れがたまって来ているようだ。午後は易しいルートを2本ほど登る。

・Falang Mau (6a,16m) MOS

・San Miguel (6b,15m) ×

・Endurance Run (6a, 18m) MOS

・Klitoritis (6a+,24m) MOS

GCH2にいたネコ

2/11
クライミング5日目。
やはりかなり暑い。午前中に2本。この日のメインイベントとして、長さ42mある6cをトライしたが最後の最後で力尽き、結局トップアウトできず敗退する。このルートのために8mロープを持参したのだが登れず、大変悔しい。

・Black Forest Cake (5a, 28m) MOS

・Fischkopflassi (6c, 42m) ×

Weiße Wand 全景、上部はかなりの前傾壁

かなり疲れたため午後は遅めにリスタートし、どっかぶりRoofエリアの6cにトライしたが、ここでも最後で力尽きて敗退してしまった。(このエリアは全てのルートにカラビナが掛かっているので、敗退してもギアの回収がないのが助かる)

・To Bobby (6c,20m) ×

2/12
三連登の後のためレスト日とした。
パートナーのHiroさんはひと足先にタイへ移動。自分は朝から洗濯、レンタルバイクの手配、宿の引越し等をして過ごした。

2/13
クライミング6日目。
この日からは岩場へバイクを借り往復する。猛烈に暑く、昼は35度以上だった。午前中は谷間で日が差し込まないCanyon エリアに行き2本登る。7a(5.11d)を試しに触ってみたが核心の数手が悪いボルダーで全くできず。次来る時までにボルダーを鍛えて再挑戦したい。午後は夕方まで休んでから、一本のみ登り終了。

Canyon エリア

・Arkanoid (6b,30m) MOS

・Pitfall (7a,26m) ×

Arkanoid 6b

Worldtripエリア

・Mrs.Pok (6a+,16m) MOS

2/14
クライミング7日目。
やはり猛烈に暑い。
午前中はBotanical Gardenエリアにて、Flower Power (6b+,25m)へトライ。残念ながらオンサイトは逃したが、2回目のトライで登れた。このルートもスケールあり、ムーブありでとても良かった。
午後は夕方近くまで休んでから、2/11に落ちたどっかぶり系6cを再度トライし、核心のどっかぶりをなんとか耐えて今回は成功した。結果的に今回ツアーの最高グレードとなった。

Botanical Gardenエリア

・Flower Power (6b+,25m)  ×、RP

Roof エリア

・To Bobby (6c,20m)  RP

To Bobby 6c

2/15
クライミング8日目。
多少暑さはマシになってきた。この日は現地で知り合ったアメリカ在住の日本人の若者と登る。

Botanical Gardenエリア

・Androgynous (6b+,19m) MOS

コルネを駆使して登る楽しいルート。このグレードとしては登りやすかったと思う。

・Morning Glory (6c, 25m) ×

あと一手がつながらず、残念ながらオンサイトを逃す。もう一回トライする時間がなく今回は登れなかったが、次の機会があれば是非またやってみたい。

Worldtripエリア

・Weidnerworldwide (6c, 22m)  ×

左トラバースでコルネを掴みに行くムーブが怖かった。リーチがないと厳しいと思う。その後も傾斜が強く、持久力が必要だ。

World’s Endエリア

・Hanging Dutchman (6b, 26m) MOS

難しくはないがルートが長く、ずっと前傾しているのでレストポイントでしっかり休んでいかないと消耗する。最後の数手がトリッキーでちょっと戸惑ったがなんとか登れた。高い位置にあるルートなので見晴らしが良い。

World’s Endエリア

2/16
クライミング9日目。今回の遠征としてはクライミング最終日。気候は一時よりかなり涼しく快適だが、四連登で結構疲れもある。
2/13に行ったCanyon エリアへ行き、昼過ぎまでで3本登る。暑かったせいか大盛況で、10人以上がこのエリアに集まっていた。6cのオンサイトに挑戦したが、やはりあと一手繋がらず失敗。ここで今回色々なルートを登ったが、今の自分の実力では6b +までがオンサイト出来るボーダーラインのようだ。

・Super Meat Boy (6a+, 25m) MOS

前半は前傾フェイス、ハングを越えた後はハンドサイズのクラックが続く。クラックのパートはかなりランナウトするが、ハンドジャムが気持ちよく効いて快適だった。

・Donkey Kong (6c, 34m) ×

核心は中間部の薄かぶりフェイス。かなり粘ったが力尽きてテンションかけてしまった。かなり長いルートで一度登ったら腹一杯になってしまったので、もう一度トライする元気は残らなかった。ムーブを忘れた頃にまた訪れて、再トライしてみたい。

・Bomberman (6b, 26m) MOS

このルートも壁の弱点を突いた自然なラインで内容、スケール共に素晴らしかった。

午後遅くにMethanエリアへ移動し、Ziegenpeter(6b+,32m)をオンサイトして今回のクライミングを締める。このルートもスケール、内容ともに素晴らしく、最後の一本を気持ちよく登れて良かった。

2/17
約2週間滞在したラオスからタイへ戻る。ナコーンパノムからバンコクまで夜行バスで移動したが、道路の凹凸がうるさくあまり眠れず。
2/18
早朝バンコクへ到着。前夜あまり寝てないし、この日の夜には帰国フライトなのでバンコクの街で一日時間を潰さねばならない。大荷物を抱えて観光もしんどいので市内で時間を潰せる場所を探したら日本風スーパー銭湯を見つけ、少々高いが2週間ぶりに湯船に浸かり快適に過ごす。夜中の飛行機でバンコクを出発し、翌朝関空に到着した。

(遠征の費用)
・往復の航空機、バス等もろもろで約10万円
・現地の宿代(計15泊)約2.2万円
・街からクライミングエリアへの移動費(トゥクトゥク、レンタルバイク)9日間で約1.2万円
・現地の飲食費、お土産等 約3万円
合計16.4万円程度となった。前回より航空券代が倍近く上がったが、やはり安く滞在できるのは有り難い。ぜひまた機会を作り、ラオスへクライミングに行きたいと思う。(日本の冬山ハイシーズンも完全に重なるのが頭痛いところだが)

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