戸台アイスクライミング

日程: 2019年1月12~13日
メンバー: 山田ゆ、山田ひ、神宅
ルート: 12日 五丈の滝(F2手前まで)
13日 奥駒津沢(F1 5mヴァーチカル部のみ) 駒津沢(F1 30mまで)
行程: 12日 06:45 戸台駐車場発
                 09:15/10:00 丹渓山荘着/発
                 11:00 七丈ノ滝 F1手前まで
                 13:00 五丈ノ滝F1
                 14:30 五丈ノ滝F2手前まで
                 17:45 丹渓山荘着
         13日 04:10起床
                 05:30 丹渓山荘発
                 08:50 奥駒津沢
                 11:00 駒津沢
                 12:00 五丈ノ滝F2(下山開始)
                 14:15/15:00 丹渓山荘着/発
                 17:00 戸台駐車場着

6時頃戸台の駐車場に着いた。25kg前後の荷物となった。全く雪がなく歩きやすいかと思ったが河原の大きい石が絶妙に歩きにくくしていた。丹渓山荘まで(それ以降もだが)雪を踏むことはなかった。廃小屋である丹渓山荘内にテントを張り、荷物をデポする。他に一組(2人)と同じになった。三連休なので丹渓山荘はいっぱいになるかと思ったが、結局僕たちとこの一組しか山荘内にはいなかった。




丹渓山荘内部

「象の鼻」に向かう。10分程歩くと右岸に舞姫の滝がよく発達していた(F1は発達が怪しめ)。沢登りさながらのゴーロ帯を進む。しばらく進むと沢も氷結し始めてきた。1時間ほど歩いたところで「象の鼻」が見え始めた。いや「象の鼻頭」であった。七丈ノ滝上部も見え、下からはそこまで悪くなさそうな発達だったのでF1を見に行くことに。しかしF1は写真のように一部繋がっておらず、右岸を巻いて様子を見てみることにした。

七丈ノ滝 F1                        象の鼻(本来なら下まで繋がる)

良い天気とF2以降が気になるため、僕だけ休憩を少し早めに切り上げてかなりガレているところを進む。F1を巻けそうなルートが二本見えた。一つは「下から見ると少し傾斜はあるが、何となく登れそうルート」、もう一つは「大きくまわり込み、遠回りだが傾斜もそこまでなく確実に巻けそうなルート」。
僕は危なそうだったらすぐ引き返せばいいやとの思いで前者を選択した。ただ途中まで登ると危なくなったので懸垂下降で引き返した。
時間が結構経ってしまったので、明日以降の下見をすることになり七丈ノ滝出合から五丈ノ滝へと移動することにした。時間もかからず五丈ノ滝F1へ着いた。フリーで越えられるとのことだったが、あまり発達していないのかアイスは結構たっていた。下部はきれいなブルーアイスだったが上部が少し怪しそうであった。浩さんが登れそうなルートを見つけてロープを張ることに。完全に凍っていなく所々水が滴っているようだが危なげなく抜けた。左岸側の灌木で支点を作った。アイスは腕のパンプと手の寒さだと分かり始めた?のでなるべく省エネで登り、休めるところでこまめに手に血を巡らせた。最後は勇起さん。順調に登ってきた。時間的にもF2偵察で終わりそうということでロープを一つ残置しておいた。

F1                                           F2

F2はF1 よりも発達が悪かった。適当に氷で遊んでそのまま丹渓山荘へと向かった。F1でフィックスを張って残置した。今回の山行では晩御飯が鍋であったので楽しみで仕方なく「鍋~♪」と歌いながら下山した。ヘッデンがいらないくらいの暗さに到着。沢で水を汲みテントに転がり込んだ。ようやく鍋をできると嬉しくなっていたがここで予期しない文字列が頭の中に並べられた。「エ、ガスモッテキテナイノ?」、「??」、「……..」、「…………」 山荘内に沈黙が激しく広がる。ガスヘッドが山田氏担当であり、ガスが山田氏担当であった(別人)。こんなタイミングで山田姓に苦しめられると思わなかった。今更どう言っても仕方ないので火を使わず食べられるものを各々出し合う。丸一日熱いものを食べなかったのは初めてかもと思った。冬の縦走でなくて良かった、反省! 特にすることもなく19:30頃に就寝。翌日は4時起きにした。

13日: 4時すぎに起床。山荘内ということもありそこまで寒くなかった。起きてもやはりガスはなかった。今日の予定は「一番星」なので早めの出発。ヘッデンで暗い中歩いていくが地形的に迷わないようなところ。昨晩うっすら雪が降ったようで1cm程度のわずかな積雪だった。この中途半端な積雪が歩きにくくした。1時間少しで五丈ノ滝のF1へ到着。既に2パーティいた。話を聞くと先行するパーティが「一番星」に、もう一組が「駒津沢」を登攀するとのことなので僕たちは上の様子を見て登る場所を決めようと言うことになった。ルート取りは2パーティとも違うのですぐ登り始めた。F2はあまり変わらない氷結具合であったがそれでも登った。文字通り薄氷を踏んでいた。左岸側に駒津沢がそびえ立っている。隣のが「奥駒津沢」のF1の5mほどのたっている部分で遊ぶことに。


奥駒津沢 F1                    駒津沢 F1

1人2本くらい登り「駒津沢」に移動した。このスケールのアイスを見るのは初めてで興奮したが圧倒もされた。浩さんリードで進む。2日目でほとんどリードしているということもありなかなかしんどそうだがあっさり30m程でピッチをきった。離れたところから勇起さんが早速今年の蛍雪表紙を撮ってくれた。僕も弱点を探しながら登っていく。ガスがないので今日下山することを考えて1ピッチで終わることに。少し離れたところにしっかり育った氷柱があったのでこれで懸垂下降することにした。







そのまま丹渓山荘まで戻り荷物をまとめ駐車場へと向かった。色々あった今回の山行も終わりだと思ったが、最後に浩さんが車の鍵が見当たらないと。またまた雲行きが怪しくなった。丹渓山荘に落としたのでは?テントをひっくり返したりシュラフを裏返したり…15分後ようやくアタックザックから出てきて一安心。今回はそれぞれ色々あったけど、こういうものほど一生記憶に残るものになるのかなと、うとうとしながら荷物でぱんぱんのジムニーの後部座席で思った。

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