南米 アコンカグア②

<20日> 快晴(約22km)

8:00コンフルエンシア-11:30南壁展望台-12:20プラサ・フランシア-16:20コンフルエンシア

3時に目が覚めるが、5時過ぎまで2度寝。起きると少し頭痛あり。夜明け前6:20くらいに散歩に出る。 7時朝食、量多くて食べ切れず。ランチは自分でサンドイッチを作るようになっている。この日は標高4,200mのプラサ・フランシアまで往復する高度順応の日。サンドウィッチ1つとパックジュース1個を持って8時出発。ただサンドウィッチに油断して行動食を忘れる…。

スタート時は日がまだ差してないため寒い。少し道が分かりにくいけど踏み跡をたどって進む。アロマセネスの地層が七色に見えてとても綺麗だった。すぐ横の山の地層はごく普通なのに、一体どんな地殻変動あったのか、アンデス山脈の成り立ちが知りたくなる。スタートから3時間40分で南壁展望台に到着。まだ歩けそうなので、プラサ・フランシアへ。横には氷河が見え、ほぼ平行移動だが南壁が目の前に迫ってくる。12:20到着。少し高いところへ移動し30分ほどお昼休憩。南壁を眺めて、どのルートを取るのかな?もう少ししっかり雪と氷がつかないと怖すぎるな、なんて考えつつサンドウィッチとトマトスープを食べた。13時よりストック使ってとっとと下山。登りは1時間おき、下りは2時間おきに休憩し、水分もなるべく飲むように気を付ける。

コンフルエンシアに着くとジュースとフルーツ(大量のスイカとフルーツミックス)もらう。食べ終えたら山田ガイドのパーティに混ぜてもらい、ダイアモックスについて教えてもらう。ダイアモックスは眠りを深くする(睡眠時の呼吸が深くなる)作用があり、山田ガイド曰く登頂率が全く違うとのことだった。ということで、この晩より朝夕半錠ずつ飲むことにする。トイレは倍増、効果は?倉岡ガイドや近藤ガイドも入る予定だとか、さすがハイシーズンです。18時からはメディカルチェックで血圧・脈拍・spO2測定・問診を受けて終了。Dr.からは「水分よく摂ってね。1日3~4L」と言われた。

夕食は米にチキンとコーンスープ、チョコブラウニーのデザート付き。昨日より量はマシ。荷物を取りに行き、やっとシュラフと水が手に入った。Wi-Fiは1時間10ドルで、翻訳アプリの日本語ダウンロードを試すが、無理だった。

<21日> 快晴 (約22km)

8:15コンフルエンシア-12:00分岐(ピエドラ・イバニェス)-15:40プラサ・デ・ムーラス(BC)

暖かいシュラフで寝やすかったが、水分摂取とダイアモックス効果で?トイレ5回。昨晩は0回だったのに。朝食食べてお昼用のサンドウィッチ作って、今日はいよいよベースキャンプへ。8時過ぎスタート。少し登ればあとはひたすら平らなU字渓谷の谷底を歩く。4,000~5,000m級の大きな山が両サイドに連なっている。前をいく人達が豆粒みたいで道のりが遠いのがよく分かる。帰りにここをまた歩くのかと思うとちょっと気が遠くなる。ちょこちょこ徒渉があるが問題なく進む。分岐を目の前にして最後の徒渉ポイントが分からず川の前をウロウロしていると、分岐で休憩中の男の人が「ここだ」とストックで教えてくれる。足場の飛び石が崩れると、大きな石を投げこんでくれて、無事に靴のまま徒渉できた。分岐でお昼休憩。たくさんの登山者が休憩していた。

分岐部の大きな岩を右へ。ここからは登りに入るが、登り下りがある方が楽しい。ただ、息切れと疲労も出てくる。ザレ場のアップダウンを延々と繰り返し進むと、遠くにテントが見える!喜んだものの一向に着かず、疲れはたまってくる。最後に2回の急登をヒイコラ越えるとベースキャンプ=プラサ・デ・ムーラスに到着。長かった…。着いたみんなで「very long!」「very tired!」と笑顔で握手した。入口の建物でチェックイン。

大量の大型・中型テントがたくさん張られている。INKA社のテントでマネージャーのSOFIAを探すが、別の優しそうな男性が対応してくれた。メンドーサで会ったコックさんとも嬉しい再会。

ダイニングテントでレセプションと格闘するが、冷たいジュースに冷たいフルーツ類で標高が高いせいか、服も薄いのでなんだか寒い。喉も痛い、咳も出る…風邪症状はそのあとどんどん悪化。夕食食べたらとにかく着込めるものを着込んで寝た。夜のトイレは2回と一気に減った。

 

◎12/22~24 C2荷上げ→BC停滞

<22日> 快晴

9:40 BC(プラサ・デ・ムーラス)-12:30 C1(キャンプ・カナダ)-14:30 C2(キャンプ・ニド)荷物をデポ-15:00 C2-17:00 BC

よく眠り、6時起床。思ったより調子が回復しているためC1へ行ってみることにする。朝食時は念のため葛根湯とロキソニン、ダイアモックス1/2を服用。負担のかからないよう荷物は高所靴とガス1缶だけ担ぐ。ザレ場でルートがいくつも分岐していて歩きやすいルートがよく分からない。この日は下見気分で気楽に歩いては立ち止まり、歩いては立ち止まり、ゆっくりと。3時間弱で到着。キャンプ・カナダには雪がなく、泊まるには水の歩荷が必要なのであまりテントはない。少し上がるとペニテンテス(氷の突起)があるからそれを融かしたらあかんのかな。まだ元気だったのでC2を目指してみる。前半ザレ場の急登、後半は傾斜が緩くなるけど、足の疲労が出てちょっと後悔…。休憩しながら2時間ほどでやっとこさっとこC2到着。どこにデポするか迷うが、適当な岩陰に防水袋をテーピングで封をして石をおもりにして隠す。取られませんよーに! 

15時下山スタート。疲労が足にきてる気がする。途中から富士山の砂走りlongバージョンのような状態でだんだん足が限界に、同時に喉の痛みも増してきて、鼻水・くしゃみ・咳…と完全な風邪症状が出てきた。BCに着いた頃には声が出なくなり、咳と同時に黄色い痰…。しばらく、テントで休んでジュースをもらいに行くが、喉にしみて痛くて飲めない。スイカは喉に優しかった。そのまま夕食、豆スープにパンを浸して食べた。熱はない気がするがくしゃみ・鼻水は止まらず。PL・葛根湯・ロキソニン・ダイアモックス1/2を服用し、暖かくして寝る。夜のトイレは3回。喉がものすごく痛かった。

<23日> レストというかダウン

5:30頃に目が覚める。やっぱり喉は痛い。抗生物質とロキソニンを服用するが、喉が痛くて薬を飲むための水分さえも苦行だ。また寝て、朝食の8時には少しだけ食べて、総合感冒薬・葛根湯・ダイアモックス1/2を服用。とにかく寝た。寝るだけで高所順応になると思えば気は楽だった。ただ、日中日が差してくるとテントは暑い。高所での太陽の力はやはり強い。水分を摂りたいが喉が痛くて摂ることができない。声も出ないし、スマホを使ってINKAの人にフルーツ、スイカがほしいと伝えてもらう。大量に出してもらって何とか完食。また薬を飲んで寝た。夕方ころには喉は痛いが声が少し出るようになった。

山田ガイドパーティにいたDr.が「水分飲めないなら無理に飲まず、口に含むだけでいい」と教えてくれ、喉痛に効く漢方薬「桔梗湯」をくれた。夕食のスープ・ピザを食べ、フルーツをお願いしたらメロンが2切れ出てきた。美味しいけど喉は痛くて、やはりスイカが一番喉に優しかった。総合感冒薬・抗生物質・ロキソニン・桔梗湯を飲んで寝る。今日も明日もレストで、気は楽だ。寝てるだけでも高所順応になるし、「果報は寝て待て」だ。夜のトイレは1回。爆睡した。

<24日> レスト(療養) 晴れ→雪

目覚めるとやっぱり喉痛い。咳き込むと血痰出るし、鼻水・よだれも出て、ティッシュが手放せない。水分飲むとやっぱり激痛。今日は朝・昼の食事が出ないと聞いているためのんびり寝る。が、日が登るとやっぱり暑い。13:30テント内38.5℃だった。暑さに負けず寝る。

気付くと喉痛がマシになってきていた。咳も鼻水もあるけど、水分がさほど苦痛なく摂れる。激痛グレープフルーツジュースがちょい痛いくらいになっている。これだけでかなり安心。寝て待った甲斐があった!水分をたっぷり摂ってゴソゴソ起きだす。天気予報は25日から雪予報、28日は暴風。29日は晴れ。うーん、これだと25~27日で荷上げ&高度順応、28日一旦下りて、29日アタックスタートかな。28日の風次第だけど、それにしたって予定に余裕ない…。

マネージャーのお姉さんが「探してたのよ、Ai! メディカルチェックを受けないと」と言われる。受けに行くと体調を聞かれ、喉痛で声も出なかったことや薬を飲んだことを伝える。「頭痛はない?」と聞かれるが、頭痛は全くない。胸部の聴診、血圧・脈拍・パルスの測定を行い、笑顔で「OK!」と。水分5Lにダイアモックスを飲むように言われる。こんな体調だけど、ひとまずドクターストップは回避できた。まだ鼻水も咳も黄色い痰の塊も出るけど、付き合いながら治そう。明日より登山スタートだ。

夕食はクリスマスムード。とりあえずチキンが美味しかった。Wi-Fiつなぐと、やっとGoogle翻訳の日本語がダウンロードでき、ホッと一息。ついでにWindyで天気予報をチェック。29日・30日は良さそう。31日に風が強くなり×。26日・27日は午後より風が強くなる。28日は1日強い。30日のアタックがいいか。クリスマスのお祭り騒ぎは深夜まで続いた。よう叫んでうるさかった。夜のトイレは2回。 

 

◎12/25~26 荷上げ&高度順応 BC→C2(キャンプ・ニド)

<25日> 晴れ→ガス→雪(ホワイトアウト)

10:00 BC-13:30 C1-16:00 C2…17:15テント設営終了

生理になってしまった。いよいよこれからという時にガックリするが、もう日程に余裕はないから行かないと。今日はC2に泊まるためテントとシュラフ・マット・ガスセットと1日分の食料を荷上げ。病み上がりに荷物もあるからとにかくゆっくり進む。C1から先の急登がやっぱり息切れ。ザックが重く、腰にこたえる。焦らず進むが、天候は悪化しガスから雪が降り始める。2度目のルートだが、先が見通せないとルートがいまいち分からなくなる。踏み跡を見失わないように探しながら進む。どんどん雪と風がきつくなり、ホワイトアウトの中を進む。前方に人を見つけたときはホッとした。6時間かかってなんとかC2に到着。かなり強い風と雪の中で、デポ品も回収。無事でよかった。そのまま大急ぎで近くの岩横にテントを張る。BCのダイニングテントで一緒だったおじさんがすぐ後ろにいたが、岩の裏側にテントを張ったようだ。かなり疲れたのでさっさと水を作って食事してさっさと寝た。夜のトイレは1回。

<26日> 快晴→ガス・雪(ホワイトアウト)

8:40 C2-9:55 BC…11:30-16:30 C2

この日はもう一度ベースキャンプに戻り、25日に上げられなかったガスや食料などを荷上げする予定。7時に起きた。鼻水・咳・痰・喉痛に頭痛が少々加わってる。朝食は雑炊と梅干お湯割り・コーヒー・白湯。強風対策にテントの向きを変えてから出発。前夜の雪で一面の銀世界に変わっていた。とても綺麗で、雪のおかげで歩きやすい。ザクザク下ると1時間15分でベースキャンプに着いてしまった。ベースキャンプで少し休憩し、荷物をパッキングしたら再度C2へ出発。昼からはやはりガスってくる。前日に続き、またしてもホワイトアウト。こっちやったかな?なんて今日もウロウロするが、なんとかC2到着。

 

 

目次