中ア 宝剣岳第3尾根

日程 2021年2月12日
メンバー L天久、望月
9:30千畳敷出発 10:30宝剣山荘(荷物デポ) 12:00取付き 19:55宝剣岳頂上 21:00宝剣山荘

比較的アプローチがしやすい宝剣岳で2日間。西面の第2尾根、東面の中央稜の登攀を計画した。
結果、ザラメ雪と思いのほかショッパイ登攀内容に時間を食い、ヘッデン登攀の末、
最終ピッチが終わって初めて自分たちが第3尾根を登っていた事に気づいた。
さらに装備トラブルやヒヤリハットが重なり、2日目の登攀は中止とした。
宝剣山荘にテント装備をデポし、宝剣岳北稜の天狗岩を越えたところから沢を下降。
目的の尾根末端からスタート。ジャンケンをして天久が先にリードする。

〇1ピッチ目(天久)45m
凹角状の個所が複数ありどこからでも登れそうだが、取り付いてみるとどれも薄かぶりで悪い。
アックスを乏しい草付きに決め、右足ハイステップのボルダームーブで2段ハングを超える。
その後は傾斜が緩みアックスで細かいクラックを拾いながらロープをのばしスノーリッジまで。
ハイ松を掘り出してビレイ。フォローの望月が出だしのハングで落ちたので急いでバックアップを足す。

〇2ピッチ目(望月)40m
一部スラビーでアイゼンだと嫌らしい。ランナーをとった際にロープが交差しているので修正するように声を掛けるが戻れないらしく、
そのまま行ってしまったがよろしくはない。上部は草付き交じりの緩斜面。岩壁にぶつかったところまで。終了点はなく、カムで支点を構築。

〇3ピッチ目(天久)10m
正面のクラックはハングしていてルートとは思えず、岩の基部をトラバースして様子を見に行く。
右側に回り込むと雪壁が上に向かって続いている。ここでピッチを切り、望月を呼び寄せる。

〇4ピッチ目(望月)45m
雪壁というより岩に薄く乗ったザラメ雪を10m直上後、凹角の岩を登り、壁にぶつかって雪を伝って斜上。
どんずまりのチムニーで苦労している。時計を見るとすでに17時。ここはアブミを2台使って越えたがいよいよ薄暗くなってきたので、ヘッデンを取り出す。
ワイドクラックから続くチムニー下でピッチを切り、フォローは完全に暗闇となった中でのヘッデン登攀。

〇5ピッチ目(望月)15m
チムニー下では人の入れ替わりができないので、再度望月にリードしてもらう。「暗くなったし、時間かけても良いから確実に」と声を掛ける。
チムニーは2mくらいだが出口はCSに抑えられているので、アブミを出す。
抜け口はスラブでアイゼンはかからないうえ、アックスはゆるい雪になかなか決まらずここも悪い。何とか越えると斜面は緩み、登攀は終了。
フォローも同様にチムニーの抜け口で苦労する。打ち込んだアックスに体を預けた瞬間に抜けてフォール。

5メートルくらい落ち、ワイドクラックまで逆戻り。なんでこんなに落ちるんだ?と思ったら支点が壊れたとの事。再度支点を作り直すのを待ち登り返す。
見上げると宝剣の黒い影が先に見える。おかしい。
トポだと終了点は宝剣ピークに飛び出す感じなのだが、どうも我々は第3尾根を登っていたようだ。
ここから傾斜は緩み雪稜となるのでコンテでつながって頂上を踏んだ。

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