白山蛇谷 コヤ谷〜親谷 沢登り

・メンバー:L畠山(記)、天久、望月、片岡

・日程:2021/8/21-22

・山域:白山 蛇谷 コヤ谷〜親谷

・行程:

8/21 中宮温泉ビジターセンター(7:00)〜シリタカ谷出合い(7:40)~岩底谷出合い(8:00)〜コヤ谷出合い(9:00)〜20m滝(10:00)〜Co1150奥の二俣(13:00)〜Co1250枝沢を詰める、ライトな藪漕ぎ〜親谷チョックストーン10m滝(15:00)〜Co1050親谷二俣(16:00)幕

8/22幕地出発(6:00)〜姥ヶ滝上(9:00)〜右岸を巻く、懸垂2ピッチ〜滝下(10:30)〜親谷の湯の散策〜駐車地(13:00)

 元々は境川流域の難しい沢を狙っていたが、雨の続く週だったので、標高が低く、水捌けの良いスラブの沢を選んだ。渓壮が美しく、満足のいく山行となった。沢自体はあえてグレードをつけるとしたら1級上くらい。沢始め、宴会山行、そしてデートに最適な沢であった。

8/21(土)  

中宮温泉ビジターセンターに駐車し、準備を整え蛇谷入渓する。歩き出してから10分程するとアブの襲撃が始まる。昨年同時期に白山の沢に行った時はほとんどいなかったが、流域と年によるようだ。蛇谷を遡行するのは初めてだが、水が綺麗で単純な歩きも楽しい。

 蛇谷流域は一部の沢ヤに知られた楽しい沢が密集する流域である。野性味溢れるワイルドさが売りのシリタカ谷、安全に直登できる滝が多い岩底谷、美しさと危険を併せ持つツンデレ系のトークズレ谷などを通り過ぎながら約2時間でコヤ谷出合いに到着した。

コヤ谷出合い

 コヤ谷出合いは木々が生い茂っていて、流域も狭いため入口からは沢の全体が全く想像できなかった。岩質は茶色系のスラブ(何て岩質なんだろう)、ひたすら綺麗なナメが続く。クルマユリ、シモツケソウなどの高山植物が見うけられ、心癒される。

20m滝、クラックラインに心惹かれる

 20m滝はクラックラインを登るのが楽しそうだったが、登攀不可能として右岸より巻くことにした。巻き途中に望月さんが蜂に刺されてしばらく停滞する。滝を越えるのに懸垂一回。しばらくして出てきた滝も右岸から巻く。ロープは出さなかった。

 その後滑滝が続き、ラバー組みにとっては、「恐怖の滑」が続いた。当初はもう少し標高を上げて名古屋ACCの記録にあるようなスラブを見に行きたかったが、Co1250の右岸に詰めやすそうな枝沢があったのでそこを詰める。詰めていくと恐怖の滑が続いたので右岸尾根に上がる。

恐怖のナメ

 藪エリアに入った途端に片岡さんのテンションが急に上がり始めて、揚々と藪を漕ぎ始めた。読図をしてラインを相談している時も、「バババと行けばいいんですよ」と。そう、沢ヤには分かるであろう、いわゆる藪ハイモードに入ってしまった。藪漕ぎは本能的だから、方向を確かめた後は野生動物のように「バババと行く」というのも教本的ではないが決して間違っていない。

 親谷左又につながるルンゼを見つけてそこを快適に下降。下降後現れる10m滝は左岸から歩いて巻く、すぐに二股が現れ、そこで幕。夕食は天久さんがキーマカレーを作ってくれた。前々から噂には聞いていたがとても美味しかった。焚き火の雰囲気もあり、最高の夜だった。

焚き火は実に良い。カレーの写真を撮り忘れてしまった。

8/22(日)

 6:00に出発。ナメと釜が続く。全てノーロープでクライムダウンできた。途中にナメ横丁ともいえる平坦なナメの廊下が続く。手をつないでスキップしながらでも歩いていけそうだった。まさにデートにもってこいのスポットであった。平坦なエリアにはテン場適地も豊富にあった。

デートにもってこいのナメが続く。

ナメ横丁が終わると、釜の連続になる。釜の深さを確かめながら飛び込んで進んで行くのは楽しかった。ポットホールも所々あいていた。ここに潜り込んだらどうなってしまうのだろう。

釜に飛び降りながら進む

 姥ヶ滝手前に10m程の滝があり、左岸から巻いた。姥ヶ滝は左岸から懸垂2ピッチ、木をつたって姥が滝一段目に降りる。そこから右岸の木を使い降りて、蛇谷本流に降りる。姥ヶ滝は登攀可能な滝だが、観光地でもあるため、観光客を驚かせてしまった。振り返ると、登攀意欲を駆り立てる荘厳な滝だった。次回蛇谷流域を訪れる際は、この滝の登攀も合わせて行いたい。ものすごくランナウトするらしいが。

 親谷周辺には温泉が湧き出ていて、周辺を散策して、本流を戻ることにした。本流下降時は水の流れにプカプカと身体を浮かせ、自由なラインで降りて行った。

姥ヶ滝、人がいない時間に登ってみたい。

 会の強いメンバーを誘っての山行だったので、どのようにして満足してもらえるかも今回の山行の懸念点だったが、皆白山の自然に癒されて、楽しんでくれたようで安心した。今回のコヤ谷〜親谷は私にとって10本目の白山の沢となったが、それぞれの沢に個性があり、登り方も答えが無いから面白い。まだまだ白山山域は冒険しがいがありそうだ。

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