ラオスクライミング遠征① (報告者:望月)
2月に、久しぶりにラオスへクライミング遠征に行ってきた。前回行ったのはコロナ禍が始まる前の2019年で、4年ぶりの再訪となる。
今回は2週間ほど現地に滞在し、雨天等で登れなかった日を除くと合計9日間登ることができた。
2/3
関空よりベトナム航空にてハノイ経由バンコク着。バンコク市内に一泊。
2/4
バンコクよりAirAsiaのタイ国内航空路線にて、タイ北東部のラオス国境の町、ナコーンパノムへ移動。到着すると雨が降っておりこの先の天気が不安になる。幸いすぐ雨は止んだが、この先も天気には振り回された。
国際バスにて国境のメコン川を越えラオスのターケークへ。ターケーク市内に予約した宿に入り、パートナー Hiroさんと合流する。
2/5
ターケークの岩場にてクライミング1日目。
岩場は街から15キロ程離れていて、トゥクトゥク(バイクタクシー)にて往復する。
朝方に雨が降ったのと街で買い物等済ませてから移動したので遅めにスタートし、5c(5.9)〜6b(5.10c)を計3本登り終了。やはり雨の後だったせいか岩場は蒸し暑く快適ではなかったが、岩そのものは乾いており四年ぶりのラオスの石灰岩を楽しめた。昼食はGCH2で食べた。今回初めて聞いたのだが、GCH1とGCH2は現在は経営者が違うらしい。また、GCHにはフリーWi-Fiはないが、GCH2あたりであれは携帯の電波が多少入ることがわかった。
Swiss Oldiesエリア
・Fürs Müeti(5c,27m) MOS
・Robin(6a,20m)MOS
両方とも登りやすくアップに良いが、易しいだけでなく面白いルートで長さもあって充実する。
Methanエリア
・Hans Dampf (6b,33m)MOS
とにかく長く、疲れとロープの重さで最後はヘロヘロになったがなんとかオンサイト。内容もスケールも素晴らしいルートだ。
2/6
快晴で朝から暑い。午前中はGCH1からさらに奥のTree Lounge、Spielholleエリアへ。この辺は終日日陰とのことだが、Tree Lounge の方は横から日が当たるのでちょっと暑かった。まずはアップで一本。
Tree Lounge エリア
・White Rabbit (6a ,18m)MOS
垂壁から薄かぶりの壁を一直線に登る。ホールドはだいたいガバだが、二箇所ほど真っ直ぐ登るのは難しいところあり、ムーブを考えさせられる。左右のホールドも使いながら解決。難しすぎず楽すぎず、アップにはちょうど良かった。
・Jack Pot (6b+ ,15m) リード×、TR×
前回来た時も登れなかったどっかぶりルート。核心のバルジ越えはホールドが軒並みツルツルで、かなりパワーと気合いが要るボルダームーブ。トップロープでもギリギリだった。終了点手前もガバだがハングが強いので、疲れていたら厳しい。
昼食をGCH1で食べ、午後はRoofエリア近辺で2本登った。
Honeymoon エリア
・Full Metal Jacket 6a. RP
傾斜は結構強いが気持ちの良いガバを繋いでぐいぐい登れる楽しいルート。前回テンションかけてしまったので今回リベンジできてよかった。
Schöffl Blockエリア
・Piers d’Elephant 6c. × トップアウト
前半は初見でも難しくないが、核心のハングしたカンテは相当悪く、散々ムーブを探ったが結局フリーで解決できず。最後の終了点を間違えて隣のルートに合流してしまったようだ。また、途中の穴の中に獣の糞がたくさん溜まっていて、そういう意味ではあまり快適なルートではなかった。
帰り道の途中でトゥクトゥクがエンジントラブル。この国で旅をしていればこういうアクシデントは受け入れるしかない。幸い1時間ほどでドライバーが仲間の車を呼んでくれ、なんとか街へ帰ることができた。
夜は街中の焼肉バイキングへ。宿から1.5キロほど離れたCafe Amazon の近くにある大きなビアガーデンのような店で地元の人で満席に近いくらい賑わっていた。ジンギスカン鍋のような中央が盛り上がった鍋で肉を焼き、その周りで野菜やシーフードを煮込んで食べるスタイルで、食事だけなら1人69000LAKと安く、時間制限もない。ビールも含め会計はひとり151000LAK(1200円ほど)で、十分満足できた。
2/7、2/8
両日とも朝方に雨が降ったためレスト日とした。雨は昼前には止んだので街中の観光、記録の整理など。
2/9、クライミング3日目。快晴でかなり暑い。3日ぶりに岩場へ行く。午前中はOpen All Hours エリアへ。
・100% Special 6a+ MOS
ほどよく快適なアップルート。楽しめた。
・From Dusk Till Dawn 6b+ MOS
27mと登りごたえ充分。核心の薄かぶり凹角はステミング、ジャミング、チムニー登りで突破する。上部はガバが多く快適だが最後はどっかぶりで、かなり疲れているのでしんどかったが、6b +は今回の遠征では最高グレード、しかもオンサイトできたのでかなり嬉しい。
午後はRoofエリアへ移動し、2本登った。
・Saugeburt (6b+,20m) OS
Roofエリアのど真ん中にあり傾斜は非常に強いが、グレードはこのエリアとしては易しく、ホールドは全てガバ、ムーブも内面登攀が主体で休める所も多い。最後だけはどっかぶりの壁を直上するのでパワーが要る。この日2本目の6b +でかなり嬉しかった。