日程:2019年10月6日
メンバー:堀内、上原、田中す、天久、下里、谷口、墨、柳原、吉田和、山田ゆ、神宅、小林ち、西村、前田、村上さ、村上た、楠瀬、板谷(記)
場所:百丈岩(兵庫県神戸市北区道場町)
岩レスキューを百丈岩で実施した。当日はJR福知山線道場駅前に9時に集合し、徒歩で百丈岩へ移動した。谷間の岩場のため、ややひんやりとしていたものの天候は終日晴れており降水もなかった。講習は3班に分かれ、まずリードレスキューの練習をし、残りの時間でセカンドレスキューを行った。リードレスキューとセカンドレスキューの流れについては村上さんが描かれた漫画がとても参考になった。
リードレスキューは、ロープを使用して岩場を登っている際、先頭を登っているクライマーが落石やホールドの剥離などによって墜落し、行動不能になった場合に行う救助法である。リードレスキューの大まかな流れは以下のようになる。
①フォロークライマー(救助する側)の確保器に仮止めを作り、両手が使える状態にする
②リードクライマー(救助される側)の体重が掛かったロープにフリクショヒッチを作り、これを確保支点と連結し、ロープの荷重を確保支点にに移す。この時、フリクションヒッチと確保支点の間にマリナーノットか「いってこい」(ロープの結び方)を作って
③テンションが掛かっている方のロープにフリクションヒッチを作り救助者の自己確保とし、てそれまでの自己確保を解除してフリクションヒッチをずり上げながら岩を登る。この際、できるだけロープにテンションを掛けないようにする。この時,テンションの掛かっていない方のロープの末端を確保支点から外しておくのを忘れないようにする。
④要救助者の位置まで登ってきた救助者は,テンションの掛かっていない方のロープを要救助者近くの支点にセットし、懸垂下降に備える。
⑤セットしたロープに下降器をセットし、デイジーチェーンかパスを振り分けて救助者と要救助者の両方とつないだ後、さらに救助者と要救助者を直接連結し、テンションの掛かったロープをナイフで切断し、救助者が要救助者をコントロールしながら同時に下降する。
リードレスキューに続いて,セカンドレスキューの練習を実施した。リードレスキューにかなりの時間を費やしてしまった為、セカンドレスキューは補足的なものになってしまったが、それでも日が暮れてきて、あたりが見えにくくなるまで参加者皆が熱心に練習に取り組んでいた。セカンドレスキューは、フォロークライマーが落石に当たるなどして行動不能になった際に行う救助方法である。セカンドレスキューのトレーニングとして,まず1倍、1/2倍、1/3倍の引き上げシステムを順に試しながら、セカンド(ここでは要救助者)を引き上げ、その後、ディスタンスブレーキを使ってセカンドを下ろすところまでを実際にやってみた。
引き上げシステムについて細かな内容を文章で説明するのは難しいためここに記すのは避けるが、引き上げの際の逆流防止には確保器をそのまま使うのが少ない手順で済み、フリクションヒッチを使った時に比べると逆流も少なく効率が高いことが分かった。また、重くてフォローを引き上げられない場合に1/3システム、1/5システムなどを試すことになるが、小さな力で引き上げられるシステムはその反面少しずつしか引き上げることができないため時間がかかってしまう。だから、1倍や1/2倍のシステムで引き上げられるのなら、手間や引き上げに時間を少なくするために、複雑な引き上げシステムはわざわざ使わない方が良いということである。
ディスタンスブレーキは、テンションの掛かったロープにフリクションヒッチを作って確保支点につないだ後、確保器に付けているロープの通ったカラビナをキコキコと動かしてロープを少しずつ出して確保器にかかったテンションを抜く。この時、フリクションヒッチと確保支点の間に、マリナーノットかいってこいを作っておき、後にフリクションヒッチを外しやすくしておく。そして、確保器付け方を変え、ロープが通っている方のカラビナを確保支点と繋ぎ、ディスタンスブレーキの形にする。最初に作ったフリクションヒッチのマリナーノットもしくはいってこいを緩め、フリクションヒッチを外し、ゆっくりフォローを下ろす。
講習の中で様々なロープワークが登場したが超基本的なもの以外はできないものが多く、勉強と練習をもっとしなければならないと痛感した。おそらく、たくさんのロープの結び方を知っている必要はなく、確実に使える方法を増やしていくことが大事なのだろう。今回は講習会ということもあり、一つ一つ手順を確認しながら進めていったが、本当にレスキューをしなければならない様な事態になってしまった場合は手早くシステムを構築して救助活動を行う必要がある。そのためにも、何度も練習して使える様にしておく必要がある。実際にロープやカラビナなどを使って、手を動かして練習することが大事だと思うが、それ以外に、書籍やインターネット上の記事や動画も参考になるものがある。