瑞牆山 フリークライミング

メンバー 望月、西村、OGT(会外)

報告:望月

7/23(1日目)

前日夜に大阪を出発し、途中仮眠して朝7時過ぎにみずがき自然公園キャンプ場へ到着。天気は気持ち良い快晴だが、午後は夕立に降られそうな予報。皆あまり寝てないため初日はショートルートを登ることになり、クラック地獄エリアへ向かう。片道45分ほど、まあまあな急登だが、アプローチ道は割と歩きやすい。

瑞牆山の岩場と一言で言っても、山自体が無数の岩峰の集合体で、すでに発表されているだけでも60ほどのエリアがあり、現在進行形で開拓中の岩、登れそうなのに未開拓の岩も多数ある。スラブ、フェイス、どっかぶり、クラック、チムニー、マルチピッチ、ボルダリングとあらゆる種類のクライミングが可能だ。

芝生広場からの瑞牆山(本峰ピークは見えていない)

地獄エリアはトラッドクライミングの岩場として開拓されたのでボルトルートは一切存在しない。とはいえ難易度は幅広く5.9の易しいマルチからあり、裏から終了点に回り込んでトップロープをかけられるルートも多いので各々のレベルに応じ楽しめると思う。巨岩、巨樹が点在する鬱蒼とした樹林の中で、雨宿りができる大きな岩小屋もあって雰囲気もいいが、どのルートもボルトによる終了点は無く、立木等に自分のスリングで終了点を作ってロワーダウンしてから裏から回り込んで支点を回収するとか、リードアンドフォローシステムで途中支点を回収して歩いて降りるとか、臨機応変に対応する必要あり。

・カヌー5.11b  (OGT)  この岩場の看板ルート。前半はフィンガー〜シンハンド、後半はワイドクラックでスケールも30mあり充実する。以前も登ったことはあるらしいが、安定のレッドポイント。全く難しそうに登ってないのでどこが核心なのかよく分からない。内容は素晴らしいので次来たら自分も登ってみたい。

カヌー 5.11b

・苔ジャム5.10a   (望月)  カヌーの右にある25mほどのワイドクラック。見た目は簡単そうだが、朝方に降った雨のせいで中はビショビショで、体感はほとんど沢登り。途中のハング越えで結構苦労したがなんとかオンサイト。足の怪我の後、初めて5.10のクラックを登れたのでホッとする。

・N字ハング5.10d    (西村)  こちらもこの岩場の看板ルートの一つ。壁にスッパリ切れ込んだワイドクラックだが、核心のハング越えで惜しくもテンション。その後かなり強い雨が降り出し、一旦カムを残置して降り、岩小屋で雨宿りする。小降りになった後に終了点に裏から上がり、懸垂下降してカムを回収。

N字ハング5.10d

壁がびしょ濡れでもう登れる状態ではなく、午後はさらに強い雨の予報のため、昼過ぎには撤収して温泉へ。その後本当にレーダー真っ赤っかの凄まじい雷雨となった。結局明るいうちから木下道場で明るいうちから飲み始め、不完全燃焼の1日目となってしまった。

7/24(2日目)

前日の雨により壁のコンディションは悪く、また夕立が降る恐れもあったので、マルチピッチの予定を変えてアプローチの比較的近い「しじま谷」「ダイワハウチュ」エリアなどで登れそうなルートを探して登ることにする。「しじま谷」は渋いスラブ、高難度13aのフェイス、迫力満点のワイドクラックなどバリエーション豊かなエリアで、谷筋で涼しく快適。周辺の鶴岩、亀岩、ダイワハウチュといった別エリアへも近い。しかしやはり岩のコンディションは全然ダメで、かろうじて登れそうな5.10bのスラブをトライするが、濡れたスラブは見た目以上に難しく、結局全員ともRPならず。他にもう一本ほどトライするも全然ダメで、その後は他の岩場を見物しに移動した。

最後に立ち寄った「チョーサイコールーフ」はよく乾いていたが、OGT氏が「なごり雪」 5.11a 非常にシビアなスラブ→「瓦クラック」5.10a 顕著なルーフを側面から越える」を登り、望月がフォローして終了。午後は晴れてきたので、最終日は岩も乾いて快適に登れることを願いたい。

7/25(3日目)

最終日、OGT氏は別のクライマーと1日登ることになっていたため別行動。望月、西村は再びしじま谷で登ることにする。ワイドクラックでかなり疲れたので本数は出せなかったが、1日楽しめた。

・初豆 5.10c  (望月) 短いがバランシーなスラブで、核心は一手だが非常に遠い。結局フリーでは成功出来なかったが、前日のも含め悔しいのでちょっとスラブは集中的に練習したいと思う。

・龍脈門 5.13a (西村) 別パーティの人がトライしてたので、かかっていたクイックドローを借りて2回トライ。傾斜はほぼ垂直だが、とにかくホールドが細かくムーブの組み立てが難しそう。残念ながら途中までしかムーブ解決はできなかったが2回取り付くだけでもすごい。

・トラベルチャンス 5.10a (望月)  威圧感が凄い前傾したチムニーで、トライする前はかなり緊張する。技術的な難しさというより、絶対あきらめないメンタルを問われるルートだと思うが、ランナウトせずに欲しいところでカムをセット出来るので、落ち着いて核心を越えることができた。オンサイト出来て満足。

・こぼれ豆 5.9  (望月) 出だしは露出感があって緊張するが、トラバースして上部は初豆に合流する。快適なスラブ。

最終日は終日天気も良く、夕方まで登れたので帰阪は夜中になってしまった。次回行くときには今回できなかったマルチピッチルートにもチャレンジしてみたい。

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