爺ヶ岳冷尾根~爺ヶ岳東尾根下降
2007年3月9日~10日
メンバー: 中村(会外)、新谷
3月9日 晴
8:25 出発~8:50 小冷沢出合~9:25 取り付き~12:30 冷尾根1971m峰~14:50 T.S(2150m付近)~15:20 トレース付けに出発~16:20 T.S着
中村が列車の乗り継ぎを間違え、信濃大町に着くのが2時間遅れるとの連絡が入る。予定では大町温泉郷で5時15分に待ち合わせの予定だったが、温泉もまだ空いていない温泉郷で2時間も待つのは寒くて辛い。バスの下車場所を神城駅に変更してもらい、JRで信濃大町に向かう。
7:40頃にようやく信濃大町駅で中村と合流。すでに予定より2時間近く遅れている。タクシーで大谷原に向かう。荒沢奥壁北稜に行くクライマーに会う。大谷原では左岸への橋を渡らず、大冷沢右岸の林道を行く。この林道はそのまま小冷沢右岸に続いている。3つ目の堰堤の手前で小冷沢を渡渉し、1971m峰の支稜に取り付く。アイゼンをつけ、緩やかな樹林帯を適当に登る。3月6、7日で積もった新雪の下は完全にクラストしており、アイゼンでも余りもぐらない。クラスト層と新雪のなじみも良く、雪の状態はよさそうだ。
冷尾根1971m付近 冷尾根1971m付近、中央が冷尾根、左が北稜
1971m峰に出ると冷尾根の全景が見える。北稜に比べるとちんけな尾根やな~。冷尾根の最上部は小冷沢の右俣に略奪されており、そこを越えるには小冷沢を横断して北稜に出なければならず、その地点が核心部になる。
天気もよく、鹿島槍や爺ヶ岳をなどの景色を楽しみながら快適に雪稜を登る。途中に雪庇を伴った細い雪稜があったが、雪の状態が良いのでアイゼンに履き替えノーザイルで通過。お隣の赤岩尾根の高千穂平より標高が高くなった、2150m地点でテントを張る。
テントを張ってからトレースを付けに行く。45分ほど登ったところでテントに戻る。
3月10日 晴のち曇り
6:20 出発~8:10 略奪点~9:00 北稜に出る~10:25 主稜線~11:00 爺ヶ岳中央峰~ 11:35 爺ヶ岳東尾根2411m峰~12:35 1967m峰~15:00 鹿島集落
天気はよい。わかんで快適な雪稜を進む。途中からきのこ雪などが出てきたのでアイゼンで進み、略奪点に着く。ここからザイルを出す。
2P(新谷)-カリカリの雪壁をダブルアックスで登る。新雪は全て落ちているようだ。ビレーポイントから40mくらいノーピン。傾斜はないので落ちないと思うが、普段ダブルアックスで登ることが余り無いので結構怖く、ブッシュでランニングを取れたときはほっとする。岳樺でビレイ。(45m)
2P目
3P(中村)-2P目のビレーポイントからトラバースして北稜に出る。(15m)
4P(新谷)-先に北稜に出た中村がザイルはもう要らないと言っていたが、行ってみるときのこ雪が目の前にある。こんなとこノーザイルでは行けるかー、と思った。ひたすら、目の前の雪面を切り崩すラッセルでキノコを越え、腰がらみでビレイする。このピッチが一番難しく感じた。途中の岳樺2本でランニングが取れる。(45m)
5P(中村)-傾斜の緩くなった雪稜を行く。ザイルいっぱいになってもピッチを切らず、コンティニュアスで進む。
雪の状態が良いので、爺ヶ岳北峰には出ず、雪庇の切れ目を狙って主稜線にトラバースした。やはり主稜線の黒部側は風が強く、雪が少ない。登山道を歩き、早くも今年2回目の爺ヶ岳中央峰に立つ。
なかなか楽しい雪稜だった。やっぱり、春の雪稜はいい。GWと違って雪も多くて白くて綺麗だし、暑くないし。
爺ヶ岳中央峰からは東尾根を下降する。ザイルを必要とする場所も無く、楽勝で下る。下るにつれて、だんだん暑くなる。
しかし、下降の核心部は最後にあった。鹿島集落が見えてきたあたりから、雪が全く無くなり落ち葉の積もった急斜面の下降を余儀なくされる。かなり怖い。落ち葉に足を取られてこけた時に、持っていたピッケルでシュピッチェ自決をしてしまい、胸がかなり痛かった。その後はかなり慎重に下り、鹿島集落に着いた。
鹿島集落では携帯が通じなかったので、爺ヶ岳スキー場まで歩き、タクシーを呼んだ。一時は大町温泉郷まで歩かされるかと思った。