日程:2025年1月11日~13日
天候:当日朝まで降雪。滞在中は安定した天気
交通手段:公共交通機関利用(夜行バス→電車移動→タクシー)
メンバー:L野木、松尾
1日目:ゲート8:00・・・林道登山口 9:00・・・東尾根・・・幕営適地2,020m 15:20
2日目:2,020m 6:45・・・前常念岳11:05・・・2,020m 14:40
3日目:2,020m 5:50・・・林道登山口 10:10・・・ゲート 11:00
1/11:晴
前夜発の夜行バスで松本まで移動し、大糸線に乗り穂高駅へ。
事前にタクシー会社に電話するも「週末なら南安タクシーが停車しているので予約不要」と言われ、
不安に思ったが行ってみると3台程停車していた。
タクシーに乗り込み15分程で須砂渡ゲートに到着。タクシー代は3,600円くらいだった。朝まで雪が降り続いたのでラッセル覚悟だったが、登山口には数台の車。それに大学生とみられる若者数名も出発の準備をしていて、ミドルエイジの私達はほっと胸を撫でおろす。
1年前、二人して八ヶ岳でケガをしてしまい、会の皆様には心配をかけた。
二人とも長野県の病院で2~3か月入院する大怪我だった。それぞれに傷の治療やリハビリを重ね、今回が二人で行う復帰戦と言える山行だった。リーダーは抜釘したばかりでまだ骨に空洞があり、私はプレート4枚入ったままで、まだ一部骨が繋がっていない。そんなポンコツ二人が雪山バリエーションを重荷背負って2泊するというのだから、どうしようもない。周りの人は呆れたに違いない。しかしこちらも本気。また怪我する訳にもいかないのでそれはそれは慎重に丁寧に歩を進めた。その日山に入ったパーティはソロも含めて10パーティ近く居ただろうか。牛歩の私達は全員に抜かれた。それでも7時間程かけて2,000m地点まで何とか登り、雪を整地しテントを張り水を作る。1年ぶりのテント生活が何だか感慨深くて嬉しくなった。今回は登攀ではないし、翌日も山に篭るのでアタックも気が楽だ。軽くお酒を飲んで体を温めて就寝した。
1/12:晴
寝ている間に少し雪が降ったようだが何の影響もなかった。朝7時前に出発し2,300m付近の森林限界地点へ。ここの景色は素晴らしく前常念岳や八ヶ岳、南アルプスまで見渡すことが出来た。前常念岳へ向かう途中の岩稜帯が今回の核心。登ることが出来ても、不安定な足で下山出来るかどうかが二人の課題だったので『無理はしない』を合言葉に慎重に進む。無事核心を超えることが出来て前常念岳へ。11時過ぎ。そこから天気が少し崩れ始めてガスが出てきた。天気が崩れ始めた今、常念岳へ進んで戻ってくるには、今の私達にはリスクが高くなるね、という判断で先を進むのは止めにし下降に集中することにした。牛歩で下る。常念岳まで行って戻って来たパーティ全員に再び抜かれる。それくらい遅い。でも大事なのは速さではなく、今の自分達に出来ることを丁寧にこなすこと。そう思って周りに振り回されることなく自分達のペースで前常念の尾根を下った。出発してテン場に戻ってくるのに8時間かかった。二日目の夜は美味しいお酒だった。
1/13:晴
下山が一番足に負担がかかるので5時間程かけて慎重に下山。林道登山口に下り立った時は心からほっとした。今回歩ききれたのは天候と他のパーティが立派なトレースを作ってくれたことに他ならない。そのおかげで自分達の足の調子を上手くコントロールしながらストレスなく歩けたのだと思う。感謝です。そして一緒に歩いてくれたリーダーにも感謝です。ゲート目の前に温泉施設があり、下山するやいなや入湯。雪見露天風呂&ビールは最高だった。