日時: 2013年8月10日~13日
メンバー: (蛍雪山岳同志会)亀谷、畑木、(関西蛍雪山岳会)吉田ゆ、吉田な、岩田
関東60周年 関西50周年行事の一環として、関東・関西合同で槍ヶ岳から西穂高岳そして焼岳を越えて中ノ湯登山口まで縦走した。天候に恵まれ、また足のやや?揃ったメンバーにも恵まれ無事に予定通り縦走を終えることができた。途中滑落事故に遭遇したり、テント場が満員で設営できなかったりしたが、日本有数の岩稜縦走コースは素晴らしく想い出に残る山行であった。
8月10日(土) 晴
早朝の上高地で関東の亀谷・畑木さんと合流し、豪華になったターミナル食堂で朝食を摂り出発する。今日は槍ヶ岳の肩にある山荘までの予定で、行程の中では一番体力の要る日である。槍沢の大曲ぐらいから、寝不足もあり疲れがドッと出てくるが水を汲んで頑張る。体力の無い岩田としての本音は、殺生ヒュッテのテン場で泊まりたいのだが・・・。しかし、それが後に現実のものになるとは、この時点では誰も思わなかったのでした。リーダーの吉田ゆは槍ヶ岳山荘まで行くと言うので、元気な吉田夫婦にテント場を確保するために先に行ってもらう、がしかし・・・。やっとこさ山荘に着くと「テント場は満員でありません、殺生ヒュッテで張って下さい」との冷たいお言葉。しかたないので歩荷した水をデポして殺生ヒュッテまでとぼとぼ降りる羽目になる。おかげで念願通り? 殺生ヒュッテのテン場に泊まることができたのでありました。
[コースタイム]
上高地(6:15発)~横尾(9:00着)~殺生ヒュッテ(15:55着)~槍ヶ岳山荘(16:35着17:10発)~殺生ヒュッテ(17:30着テント泊)
8月11日(日) 晴
槍ヶ岳山荘まで登り返し、小屋前で旗を出しての記念撮影。槍ヶ岳は全員過去に登頂しているので、今回は頂上はパス。さあいよいよ縦走の始まりだ。
槍ヶ岳山荘前にて
槍ヶ岳を振り返る
南岳でヘルメットを被る。縦走者では約半数の人がヘルメットを被っているか・・・。下りの苦手な吉田なを下から吉田ゆが優しく、上から岩田が厳しく言いながら降ろす。長谷川ピークを過ぎ、北穂の登りでは右手に滝谷の壁が大きく見える。以前に登ったクラック尾根、第一尾根、P2フランケも以前よりもろくなっているように見えた。B沢のコルからの降り跡は見えない。滝谷も一部の人気ルートしか登られないようになったのだろうか?
南岳山荘と穂高岳連峰
北穂への登り
北穂直下約100m地点で先行するパーテイが立ち止って警察に電話をしている。聞くと単独行の人が転落したらしい。途中で一度止まり、立ち上がり掛けたが再度転落し見えなくなったとのこと。岩田が降りて確認に行くも発見できず、呼びかけても返事は無い。かなり下まで落ちた様子だ。そこからは落石が要求者に集中する場所になったのでやむなく引き返す。その途中でウエストベルトを見つけ回収する。登山道に戻りウエストベルトを目撃したパーテイに預け、我々は先に進む。小屋のテラスで休んでいるとヘリが飛んで来て、ピックアップして行った。(後日、新聞を見ると200m滑落死亡とのことであった)その後も縦走を続け無事、穂高岳山荘に着く。ここもテン場はいっぱいであったが、トイレ前の石畳にテントを張らせてもらえた。
[コースタイム]
殺生ヒュッテ(4:50)~槍ヶ岳山荘(5:20~5:40)~南岳8:15~8:30)~キレットコル(9:15~9:35)~事故現場(11:38~12:05)~北穂高小屋(12:50~13:20)~涸沢岳(16:10)~穂高岳山荘(16:40テント泊)
8月12日(月) 晴
今日は一番の難所が待ち受ける縦走路、みんな気合いを入れて出発する。奥穂高の山頂からはぐっと登山者が少なくなるが、やはり単独の登山者は多い。吉田なが一番怖かったという馬の背を越え、ジャンダルムの頂上に立つ。岩田は初めてジャンを奥穂から見たのは19才の時。それから42年にしてやっと頂上に立った。感無量である。
奥穂高岳からのジャンダルム
馬の背の下降
天狗のコルから天狗の頭、間ノ岳、赤岩岳と気の抜けない岩稜を進んで西穂高岳に着く。2年前に立った正月以来の山頂である。独標を越えると、もう危険地帯が無い道になりホット気が抜けてしまう。途中、単独の若者が登って来るがそのいでたちはスニーカーに金剛杖。大きなシュラフをザックの上に括りつけている。「どこまで行くの?」「行ける所までです」「昨日、今日と事故が発生しているルートやから気をつけなあかんよ」「はい」「できたら独標で引き返した方が良いよ」おせっかいかもしれないが注意をしてしまった。いかにも経験の少ない単独の登山者を今回、何人見ただろうか? これでは事故がいくつあってもおかしくないと感じた。西穂山荘では生ビールで乾杯する。今日で危険地帯は突破したので気分的に楽である。明日は焼岳を越えるだけだ。
[コースタイム]
穂高岳山荘(4:55発)~奥穂高岳(5:30着 5:43発)ジャンダルム(7:08着 7:20発)~天狗のコル(9:00着 9:20発)~間ノ岳(10:50着)~西穂高岳(12:40着)~独標(14:18着)~西穂山荘(15:25着テント泊)
8月13日(火) 晴
さあ、今日は縦走の最終日。中ノ湯まで6時間の行程である。上高地へ降りる道と分かれ中尾峠への道に入ると、いっぺんに道が悪くなる。途中で小学校低学年の女の子と父親を追い抜いたが、大丈夫か心配になる。引き返していれば良いのだが・・・。(可哀想だがあの女の子は絶対に山を嫌いになるであろうと思った)中尾峠からは百名山である焼岳への道はさすがにしっかりしており、頂上では意外に若者が多かった。
展望台からの焼岳
焼岳山頂にて
頂上から登山口までのコースタイムは2時間。楽勝と思いルンルンで下山するもこれが結構しんどく20分もタイムオーバーしてしまった。下山口で最後の記念撮影を撮り、沢渡で関東のお二人と別れ、平湯で温泉に浸かり神経を使った縦走の疲れを癒した。
[コースタイム]
西穂山荘(4:55発)~新中尾峠(7:45着 7:55発)~焼岳(9:28着 10:00発)~新中ノ湯ルート登山口(12:20着)
歩いてきた山を振り返る
展望台の変な登山者