屋久島縦走 荒川ダム登山口~縄文杉~永田岳~宮之浦岳~黒味岳~淀川登山口

縄文杉

日時: 2012年11月12日~11月14日
メンバー: 岩田し、岩田ま

11月10日 曇
長期間の休みを使い果たす前にどこに行くか。四国お遍路案もあったが、成し遂げる根性も怪しいので、屋久島へ行くことに決める。私は5月と9月ごろの2回行ったことがあるが、縦走はしていない。岩田は初めてなので、観光と縦走を計画した。
8時05分大阪空港を離陸、9時20分鹿児島空港着陸。バスで移動し12時発の高速艇『トッピー』に乗船、13時45分屋久島に上陸する。2日間あまり天気がよくないとのこと、この日はゆっくりするつもりで温泉宿を予約していたので、レンタカーの予約や観光センターでガスボンベを買ったりしてまったり過ごす。
宿の夕食はバイキング、テーブルに並べたら・・・。

高速船「トッピー」

岩田しの夕食

岩田まの夕食

11月11日 雨のち曇
朝起きると夜中からの雨は降り続いている。縦走にそなえカッパも濡らしたくないこともあり、小雨になるのを待ち9時前に出発。レンタカーで白谷雲水峽に向かう。駐車場に着くとすでに出発したお客さんを待つバスの運転手が暇を持て余している。また降ってきたのでひと寝入り。11時を過ぎようやく小雨になってきたので出発する。おかげで人気も少なく静かにしっとりとした苔の森を歩ける。遊歩道は白谷川に沿っており、川の中央にある『憩いの大岩』は広場のようで明るい。『飛流落としの滝』は花崗岩の渓谷を名の通り白いしぶきが見事な斜滝である。

飛龍落としの滝

くぐり杉

奥に進むと白谷山荘というコンクリート造りの立派な無人小屋があり、その先の辻峠へ向かう。白谷雲水峽はここまでで、ここから10分程登ると『太鼓岩』という眺めのいい大岩に上がれる。眼下には周囲の山から沢と谷が切れ込み、正面に太忠岳と花崗岩の巨石からなる『天柱石』が眺められ、その奥には海が見える。気持ち良いが風が強く、岩の傍で休憩。帰路も苔の世界を楽しむ。

もののけの森

太鼓岩からの眺め

登山口に近い安房に宿を予約していたので移動。宿は海が目の前で、夕食はトビウオの他、地魚を使った家庭料理が美味しかった。11.12 晴民宿の玄関に配達されているお弁当をザックに詰め静かに外に出る。民宿の前は海で暗く、少ない灯りを頼りにバス停へ向かう。登山口では、縄文杉に向かう人達がお弁当を食べたり、準備体操をして次々に出発していく。ほとんどの人はガイドと一緒に10時間掛けて日帰りで往復するらしい。私達は今回も!?最後尾。ただ今回はコースタイムに余裕があるので大丈夫。安房川沿いに、かつて杉の伐採に使われたトロッコの軌道敷を歩いて行く。

荒川登山口

トロッコ道を行く山ガール

武田尾の廃線跡の道と似ている。前を若い女性が同じペースで歩いている。案の定、橋の上で写真撮影をしているところをつかさず、岩田しは「撮りましょうか!」。女性「わぁ、お願いします!」。

トロッコ道のトンネル

トロッコ軌道を延々と歩く

橋もトロッコ軌道

橋を渡ると、小中学校の跡地があり、しばらく佇んでいると校庭や建物があったことが想像できる。

小杉谷小・中学校跡の案内

物悲しい校庭跡

見どころの杉、一つ目は『三大杉』。伐採跡に着床し育つという切株更新により成長していくという。その後、素人目でも分かるくらい立派な杉を多く見た。次の『仁王杉』、名前の通り迫力がある。植林杉に比べ隆々としてどの杉も生命力を感じるが、名前が付けられた杉は樹齢1000年以上で直径が俄然大きく見栄えする。人と同じで見られるとより素晴らしくなるのかと思う。

三代杉

トロッコ道

仁王杉

ウィルソン株という巨大な切株は、中の空洞が十畳ほどあり、「昔はここでテントを張った」と横で男性が話していた。

ウイルソン株

ウイルソン株の中

中から見上げるとハート形

夫婦杉は枝どうしがくっついた合体木で、私達も夫婦なので手を繋いで写真を撮ってみる。

夫婦杉

縄文杉の展望台で先の女性2人に出会い、ガイドさんに薦められたというポーズで写真を撮ってもらう。前日たまたま見た新聞に、縄文杉の枝が腐って落下する危険があると書いていたがはっきり分からなかった。

縄文杉でポーズ

ここから縦走路に入ると途端に誰もいなくなる。明るい茶色の木肌を持つヒメシャラが広がる所に旧高塚小屋があるが、誰もいない。

旧高塚小屋

小屋前のヒメシャラの木

1時間程進み新高塚小屋に到着。先客が数名、昼寝している。吐く息が白く寒いので、ぜんざいを食べてまったり。少し昼寝をして早い夕食にかかる。徐々に増え、寝るころには20人近くになっていた。

新高塚小屋

起床(4:30)民宿(4:50)安房バス停(5:07)屋久杉自然館(5:14~5:30)荒川登山口(6:10~6:50)小杉谷集落(7:30)大杉歩道(9:45)縄文杉(11:53~12:13)新高塚小屋(13:45)就寝(18:00)

11月13日 曇時々にわか雨

今日は行動時間が長いので早起きするつもりが寝坊。急いで準備するが広い小屋はいろいろ楽にできる。うっすら朝焼けは見えるがガスが全体に掛かっている。焼野三叉路でぽつぽつきたのでカッパを着て荷物をデポし永田岳を往復する。

夜明け

ガスと強風の永田岳

登ったり回り込んだりしながら宮之浦川の最低鞍部を渡り、直下は巨石が立ちはだかるがグイグイ登り誰も居ない頂上へ。山頂は巨石が飛び石伝いに連なっていておもしろい。景色は全く眺められず、アラレが降り風も強いので三叉路へ戻る。

笹原をしばらく歩くと宮之浦岳頂上へ。ここも景色は無く風が強い。写真もまともに撮れない。

ガスの中を歩く

雨の宮之浦岳

先へ進み見落としそうな栗生岳の道標に目をやると巨石の奥に小さな祠があった。次の山、翁岳は分岐を見落としたのか投石岩屋に到着。翁岳はあまり登られていないみたいだったが、巨石をロープ伝いに登るで面白そうな山だったのに残念。縦走では黒味岳も行かない人が多いようだったが、手ごろで面白そうだったのでザックをデポし往復する。屋久杉の茂る森から森林限界へと景色が変わり、ガスがなければどんなに素晴らしい眺めだったかと思う。

強風の黒見岳

花之江河もガスに包まれ、幻想的と言えばそうも言えるが、紅葉もとぼしくちょっと寂しい。

よく整備された木道

花之江河

淀川小屋も新高塚小屋と同じで広い板間で二段造りになっている。どちらもきれいに管理され、水場とトイレがありゆっくりできる。昨夜はねずみのカリカリする音が聞こえたがこの日は聞こえなかった。

立ち枯れの屋久杉

淀川小屋

起床(4:30)出発(5:30)焼野三叉路(7:10~7:25)永田岳(8:10)焼野三叉路(8:55)宮之浦岳(9:15)投石岩屋(11:00)黒味岳分岐(11:40)黒味岳(12:10)黒味岳分岐(12:30)花の江河(12:50)淀川小屋(14:15)就寝(19:00)

11月14日 曇
バスの時間に合わせみんなゆっくりしている。登山口まで1時間程、静かな森歩きを味わう。なぜか登山口にバス停はなく、数分下った先の紀元杉にある。
バスに乗って標高が下がっていくとどんどん明るく、暖かくなり、屋久島特有の自然を実感。

川上杉

紀元杉

安房の観光案内所に寄って余ったガスボンベを、要る人にどうぞと渡す。
食堂で屋久島の魚を満喫する。
その夜はモッチョム岳の麓にある尾之間の民宿で泊まる。尾之間温泉は200円、地元の方が利用される風情のある温泉でした。
1泊2日で行けるコースを2泊で歩き、雄大な屋久島の自然をゆっくり楽しんだ。水の恵みと苔の緑の美しさは春~夏の方が素晴らしいが、秋には静かで本州にはない暖かさと寒さの存在する気候が味わえた。ひそかに期待していた初冠雪はなかったが、出会った地元のガイドさんが積雪は2m近くに達し、冬は登山口まで足がなくなるので入る人はいないと話していた。また、遭難が多く、もぐりのツアー会社もあり、地元のガイドの一部は無線を携帯しているとのことだった。

起床(7:00)出発(9:00)淀川登山口(10:00)紀元杉バス停(10:10~10:39)

11月15日 晴
モッチョム岳を眺められるデッキのある居間で朝食を頂く。南向きなので夏の登山は暑すぎるとのことだった。

モッチョム岳

モッチョム岳の岩場

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