日時: 2012年8月10日
メンバー: 岩田し、岩田ま、野木、和田(他会)
タイム: ミディ山頂駅8時15分‐プランのコル13時15分‐14時半プラン山頂‐ミディ山頂20時30分
8月10日(快晴)
5時起床、6時にアパートメント出発しロープウェイ乗り場へ向かう。乗り場には、すでに多くのクライマーと観光客が並んでおり始発には乗れず7時半ごろに乗車する。Midi山頂駅で登攀準備、岩田し-岩田ま、野木-和田のペアで、コンテでロープを組む。岩田し-岩田まは、ネパールから始まりマッターホルンやモンテローザなどに行かれているため、ロープワークが早い。山頂駅からの景色は最高で、グランジョラス、マッターホルン、モンテローザなど見える。
グランドジョラスとダン・デユ・ジェアン
左端がプラン針峰
8時15分、トンネル出口を出て出発。まずは、細い雪稜を慎重に下る。多くのガイド付き登攀者が歩いているが、皆ミディのコルを目指し雪面を降りていく。プランを目指し、私たちは稜線上をトレースたどりながら進み、しばらくして急な雪壁を下降、途中懸垂支点があり先行パーティが懸垂をしていた。雪壁途中、大きなクレパスがあるようで、私たちも支点を使い、互いのロープをほどき50mの懸垂下降を行う。
写真左側を懸垂下降する
懸垂下降する和田さん
氷壁のトラバース
その後、登り返し稜線にそって歩くのだがカリカリに凍った雪壁のトラバースが続き神経を使う。岩田し-岩田まは順調に歩いているのだが、野木-和田パーティはビレーしながらトラバース行うため、かなり遅れをとってしまう。トラバースを終えると、広い雪原にあがり次にrognonn岩稜の下降となる。懸垂支点らしきものがあるのだが、ルートがよくわからず時間をとってしまう。2度の懸垂で氷河上に出てプランのコルに13時過ぎに到着する。
Rognonnの懸垂下降
懸垂下降を終えて
最終ロープウェイの時刻に間にあうには13時半ごろ引き返すのが良いと思っていたのだが、すでにその時刻。岩田し-岩田まは懸垂後も元気よく前進。野木-和田も息切れしながら最後のプラン山頂の登りの岩場につく。ここで、後方からきていた2名に追いつかれる。
モンブランとミディ針峰(右)
Rognonnを超えて
私たちは、岩場の基部に荷をデポし、岩田し-岩田まは岩の右側から、野木-和田は正面の岩場からとりつく。追いついてきた2名は左寄りの岩場から登りはじめ、抜かされてしまう。正解は、左寄りからの登りのようだ。もたもた登っている間に、外人2名は山頂に立ち喜びの声をあげている。その後、野木が続く予定が、最後の一段の高い岩が乗り越せない。岩田しが、交代で軽々と岩を乗り越し山頂へ上がる。その後、野木を引き上げてもらうつもりが体が重くあがらない。下降開始していた外人がお尻を押し上げてくれて、何とか野木も山頂に立つことができた。続いて二人も登り無事4名14時半に山頂に立つことができた。
頂上直下の登攀
頂上にて
ジュアン、グランドジョラスの景色が素晴らしかった。記念写真を撮り下山開始。懸垂で荷をデポしているところまで下降。荷を背負い早々に下山開始するが、野木-和田のピッチがあがらない。Rognonn岩稜の登り返し、まずは岩田氏がとりつき登るがかなり厳しそうな登り。時間のこと、野木が登れる技術が・・とのこともあり、岩田しがロープをフィックスし3名続いて登る。野木-和田のペースでは確実にロープウェイ最終時間に間にあわないため、岩田し-岩田まには先に下山してもらうようお願いする。
Rognonn(写真)中央部を登り返す
Rognonnの登攀
懸垂で下った時も迷ったが、登りもルートファイファインディング難しく、もう1pロープをフィックスし登る。登りきったところで、もう安心と思ったが、ここから稜線ぞいにミディへもどるルートもガスっていたこともあり迷う。
プラン針峰をバックにRognonnに立つ
行きとは違ったルートをたどって帰るようで、岩田しのルートファイディングで懸垂下降支点を見つけたり、トレースを探しながらやっとミディ山頂駅の見えるところまでたどり着く。
時間はすでに18時半ロープウェイ最終時刻を過ぎている。コスミック小屋に泊まろうと何度か電話するがつながらず、ロープウェイ駅で寝ることに決め、大休止後、最後の雪稜の登りを、だらだらと登り返し20時半に到着する。岩田し-岩田まとは違い、野木-和田はかなりの体力不足で時間がかかってしまいました。
夕焼けのミディ針峰群
ミディ駅への最後のリッジ
陽が沈む
ミディ山頂駅には、他ビバークする人が数名いて安心。夜中、目をさましガラス窓の外を見ると、モンブラン山頂にむかうヘッデンの明かりの列が見える。真夏の富士山のような景色でした。