大日岳・立山縦走

日時: 2007年5月3日~5日
参加者: 川辺、高松

5月3日(晴れ)
上市駅まで車で送ってもらい、5:34の始発で立山駅へ向かう。途中乗り換えると電車は満員で、立ったまま立山駅に到着。称名滝行きのバスは1時間40分ほど待ちがあったため、タクシーにて移動した。途中、タクシーを降りて見た、称名川の川向うに500m近い高さの長い切り立った壁面は、迫ってくるようで圧倒された。その後、展望台で称名滝の水しぶきを浴びてから、いざ大日岳登山道へ(8:30)。

先に別の4人のパーティーが入っていった。牛首までは地図に“急坂”とあったため覚悟していたが、リーダーの「前回よりわかりやすい!」との言葉に安心する。地面は雪と土が半々といった感じ。途中で男性一人が私達を追い抜いていった。

牛首を過ぎて左に(ザクロ)谷を見ながら登るが、足元と谷には結構な高低さが感じられ、踏み抜いてしまいそうなところもありこわごわ登る。この辺りからは一面雪景色で、薄手の長袖にTシャツでちょうど良かった。
大日平に上がっても、あまり高いところにいる感じはしなかった。この区間はまだ景色を楽しむ余裕があった。ザックを下ろすと背中が暖かさで乾くような良い天気である。大日平山荘では、追い抜いていった男性が重機で雪かきしていた。

ここから大日小屋までの登りが思った以上に長く感じられて辛かった。私が先頭を歩いたのは一瞬だったが、雪がふかふかしていて思うように登れない。ひたすらリーダーの踏み跡に続く。喉もカラカラ。後ろを振り返っては本当に登っているのか確認してしまったぐらいだ。リーダーのタクシー選択のおかげで、なんとか明るいうちに大日小屋までたどり着けた。この小屋にも準備のために4人来ていた。大日岳の方に向くと、これが噂の雪屁かと緊張した。風が出る中、小屋より少し高い所にテントを張ったが手伝うに終わってしまう。18:00にトランシーバーで剱岳隊と交信。丸々とした雷鳥を数メートル先に見た。雪山テント泊は、風の音がこわくてほとんど眠れなかった気がする。

【タイム】8:30登山口、10:30牛首、12:30大日平小屋手前、16:00大日小屋

5月4日(晴れ)
テントに荷を置いてアイゼンをつけ、大日岳へ登る。前日の踏み跡は残っていた。往復1時間で戻ってテントを撤収していたら、あら? さっきまであったポールが1本無くない! よく見ると小屋の屋根の辺りへ滑り落ちていたので急いで取りに行く。良かったぁ。
今日はあまり高低差がないルートとのことで、周囲の山々を見ながら奥大日岳を目指す。今日もまた景色独り占めといった感じである。幅広いところを歩いた点では歩きやすかった。今日もリーダーの踏み跡を辿る
だけで精一杯である。奥大日岳に近づいてきた時、一箇所とても急な下りがあり、荷を持ってもらった。また、岩に張り付くように歩いた時などは、踏み外したら落ちそうだったなと思うと今でも緊張する。昨日眠れなかった気がする割には歩けるなぁと意外だった。10:00からの2時間置きの交信は試みたものの剱岳隊とは繋がらなかった、残念。

ここで初めて、逆ルートを歩いてきた人に出会う。称名滝へ向かうらしい。10:30に頂上に着くと登山者で大賑わいだった。あれが剱岳かぁと途中何度も目にしながら、踏み跡一杯の中を雷鳥沢キャンプ場へと下る。
足が随分だるくなってきており、見よう見真似でお尻で滑り下りる。すぐにスキー隊に出会えてホッとした。がんばったねと言葉をもらい、とても嬉しかった。温泉に宴会にとその夜はわいわい過ごす。

【タイム】7:30大日岳、10:30奥大日岳

5月5日(曇り)
昨日は元気が足りず、立山縦走を今日にまわしてもらった。キャンプ場から見る立山は厳しそうな印象。アイゼンつけて山スキー隊と一緒に登り、剱御前小舎に9時前に到着。それぞれ準備して出発。

ガスであまり見えない中、昨日までと全く違う岩と雪の地面に緊張しながら、まずは別山へ向かう。風とガスでどこがどこだかよくわからない。天気が少々悪くても行きたいと言ったのはこの私だったが、良い天気は大事だ! と思った。寒かったが、休憩をきちんと取ってもらった。時々キャンプ場に目を遣ると、とても小さく見えた。

後で聞くと、私が一番辛かった場所は富士ノ折立付近だったようだ。そこを過ぎて急な斜面にきつい風でも、小鳥は平気な顔でそこに立っている。何かの紐がパチンパチンと顔を打つ。行きかう人も後ろから追いついてくる人もいてあせる。あの高さで歩を進める度に体がぐらつくのは大変怖かった。後で見ると地図の上では20~30分のことだったようだが、何倍も長く感じた。少し気分が悪くなり休み休み進む。(お腹が空いていただけ!?)

雄山神社12:30着。2,700mだった自己高度記録はいつの間にか更新されており、頭痛も起こず良かった。ここからはひたすら下りだが岩肌もあったので慎重に下りる。でも気持ちが軽くなっており、一の越を経て室堂へ。ほとんど待ち時間なく、14:15くらいのバスに乗る。車窓から大日小屋への斜面が確認できた時、あんなにしんどかったのにとても綺麗だと思った。立山駅に着いて他隊と連絡が取れ、車で帰れることとなった。

【タイム】9:00剱御前小舎、12:30雄山、14:00室堂

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